2013.08.15 木曜日

豊橋発:外国人研修制度

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 製造業にとって外国人労働者は魅力的な存在だ。私の顧問先でも何件かは外国人を使用している。賃金はいずれも安い。日本では安いが、彼らの母国ではかなり高い。

 
 外国人であっても労働者である以上、日本の労働諸法によって守られている。事業者はこのことを忘れてはならない。彼らは縁あって会社に来たのだ。会社に来て良かったと思ってもらうことも大切なことだろう。
 
 しかし、中には外国人を安価な使い捨て労働者だと思っている事例がある。例えば、外国人研修・技能実習制度を悪用した事例は少なくない。研修制度は勉強する制度であって、労働そのものではない。学生が実技研修の一環として工場で働くのと同じだ。実能研修制度は雇用契約だ。働いた分だけ賃金を払わなければならない。しかし、実技研修だから何でも良いというわけではない。通常の勤務をしているような場合には雇用契約があったとみなされる。
 
 これは熊本の事例だが、本当にひどい。日本にまだこんな現場があったかと思うくらいひどい。
 研修生であるにもかかわらず、1日10時間から15時間、時には深夜に及ぶ労働をさせていた。賃金は最低賃金を遙かに下回る金額だった。研修生には厳しいノルマが課せられトイレに行く間も惜しんで働かされていた。住環境は劣悪で、10坪程度の部屋に12人が生活しており、エアコンの使用量をとっていた。外国人労働者が逃げないように、パスポートを取り上げ、預金通帳や印鑑も取り上げていた。
 
 このような職場は本当に許し難いと思うが、さらに悪質なのは研修生を受け入れていた機関だ。財団法人国際研修協力機構はパスポートを取り上げることに協力し、劣悪な環境であるにもかかわらず「問題なし」という報告書を作り続けてきた。
 
 研修生たちは事業者と研修機構を相手に訴え、勝訴した。被告らは一人あたり最高538万円を支払うこととなった。この中には慰謝料も含まれている(熊本地裁H21.10.2判決、判タ1323号166頁)。