2013.08.19 月曜日

豊橋発:企業にとって破産は何を意味するか。

 企業にとって破産は何を意味するか。  

依頼者に破産手続き説明するとき、簡単には「財産を集めて債権者に分配する手続きです。」と説明する。破産宣告は内外に事業の終了を宣言し、終了のけじめをつける手続きとなる。破産の本来の意味合いは、この「けじめ」をつけるという点にある。

 
 社員も、銀行も、取引先も、税務署も開始によって、債権債務関係を諦めることができる。社長も自分の経営責任を内外に明らかにし、けじめをつけることになる。
 
 ところで、破産する場合にもお金がかかる。名古屋地裁の場合、一般論から言うと負債1億円以上になると、裁判所には80万円、1億円以下でも60万円を納めるよう指示される。これは予納金と言われるお金で、大部分が破産管財人の報酬となる。
 
 この外、弁護士の費用がかかる。弁護士の費用はそれまでの関係によっても異なる。例えば、それまで顧問関係が続いていたとすれば安くなるだろうし、全く無関係の場合には人によって違うと思うが、30万円から70万円ぐらい必要だろう。さらに、債務額が多額の場合には150万円とか200万円ぐらい必要になることがある。さらに多額の費用がかかることも珍しくない。
 
 ともかく、小規模な会社であっても破産するとなると、会社の破産だけでも100万円はかかることになる。さらに、個人破産も加えると、予納金も入れれば150万円は越えてしまうだろう。裁判所の予納金の制度は小規模事業者は破産手続きを利用するなと言っているように見える。
 
 小規模な会社が破産する場合、社長個人の破産を含めて100万円から150万円を支出する意味がどこにあるだろうと思ってしまう。小規模会社の場合は、そういうお金も使い果たしてしまっているので、そんな余裕はない。そんなお金があるくらいなら、当面の生活費や社員の給料に回した方がましだと思われることもある。
 
 現在の破産制度では、小規模な会社であれば、借金が増えすぎて支払いができなくなりましたと通知するだけでも十分な場合があるし、かえってその方がよい場合もある。企業にとって、とりわけ小企業にとって破産はどれだけの意味があるだろうか。
 
 私は破産手続きはやはり戦略的に利用する必要があると思う。常に、事業再生など生き残るために破産手続きを利用するという考え方が原則だろうと思う。破産する前に、独自の精算を進めた方がよい場合もある。破産という身動き取れない手続きが始まると、生き残ることもできない場合が出てしまう。