2013.09.12 木曜日

豊橋発:膀胱障害

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  レントゲンやMRIなど画像上の所見がないと、なかなか後遺障害の認定は得られません。せいぜい、14級だと思われます。最近、画像所見がない膀胱障害で、12級の判決が出ました。  この事件は、画像上の所見がない上に、膀胱障害を相談したのが事故から1ヶ月以上遅れていたために、難しい事例になりました。  以下は、裁判所に提出した文書の一部です。

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 頚椎に外傷性の損傷がある場合には脊髄も損傷されている蓋然性は高い。しかしながら,脊椎に損傷が無いからと言って,脊髄に損傷がないという経験則は存在しない。この点,乙1乃至乙3(自賠責認定)の判断は誤っている。すなわち,これらの審査は骨傷が認められない結果,脊髄の損傷もないと判断しているからである。
 
 今日のCT,MRIでは脳損傷の病変のように脊髄損傷の病理学的変化を知ることはできない。CTの導入により,脊椎の異常をとらえ,圧迫などの所見によって脊髄の損傷を判断することは可能であるが,脊髄自体の損傷をとらえることはできない。脊髄損傷は基本的にはあくまで,神経学的検査により,運動障害,知覚障害,神経因性膀胱を把握して診断できるものである。原告の発生した脊髄損傷は,骨傷のない脊髄損傷であり,神経学的検査や泌尿器検査により診断されたのである。
 
 ところで,排尿障害自体は往々にして初期の診断が見落とされる。それは,排尿障害が被害者自身によって「外傷」であるという知識に欠けることや,病院自体が排尿障害に対する問題意識に欠け,踏み込んだ診察を行わないからである。
 
 本件においても,膀胱障害について異常を感じつつも,病識に欠け,思い悩んでいる段階を経て,医師に相談したところ,初めて自らの排尿障害が傷害によって生じた外傷であると自覚するに至った。こうした事情を考えれば神経因性膀胱の診断が遅れたのはやむ得ないことであり,本件が交通事故によって生じた障害であるとの認定は何の問題もないのである。