2013.12.18 水曜日

豊橋発:過失相殺の基準

法律相談はE&J豊橋法律事務所の弁護士が対応いたします。

  ある交通事故の相談で、その相談者がこのようなことをおっしゃられていました。 「自分は優先道路を走っていたら、脇道みたいな狭い道路から突然前に相手が飛び出してきて、ぶつかってしまった。いきなりのことで、自分は避けようにもどうすることもできなかった。100%相手が悪い。それなのに自分にも過失があるとして過失相殺される(損害賠償金が減額される)なんて納得がいかない。」

 
  私はごもっともな言い分だと思います。 ところが、交通事故の訴訟における過失相殺については、一定の指針となる基準があります。それは、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(別冊判例タイムズ16号)」という本で、この本においては、あらゆる交通事故の場面を想定して、それぞれのケースでの過失割合を定めています。
 
  たとえば、一方の道路には一時停止規制はなく、他方の道路には一時停止の規制(「止まれ」の標識)がある交差点において、それぞれの道路を走行する四輪車がどちらも一時停止せずに直進し、出合い頭で事故が起きた場合、過失割合は、基本的に、一時停止規制がない道路を走っていた方が20%、一時停止規制がある道路を走っていた方が80%とされています(「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(別冊判例タイムズ16号)」P127)。
 
  明らかに一時停止規制がある道路を走っていた方が悪いと考えられますが、上記の本の基準によれば、一時停止規制がない道路を走っていた方にも一定の割合で過失が認められ、過失相殺されてしまうのです。
 
  このように、この本の基準によれば、上記の相談者の方のように、一般的には加害者が100%悪いと思われるような事案においても、一定の割合の過失相殺が認められことになってしまう可能性が高いといえます。
 
  このような過失割合を覆すためには、加害者の過失の程度が著しいことなど(たとえば、著しい前方不注視など)を主張立証する必要がありますが、そのためには実況見分調書を取り寄せたり、現場を調査するなどして証拠を収集する必要がある場合があります。
 
  もし保険会社や加害者から過失相殺の主張がなされ納得がいかないという方は、是非弁護士までご相談ください。