2014.02.13 木曜日

豊橋発:交通事故での道路管理者の責任

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  2012年(平成24年)4月29日、群馬県藤岡市の関越自動車道で高速ツアーバス事故があった。バスが衝突した防音壁と直前に設置されたガードレールの間には20~30cmの隙間があったことで、防音壁がバスに深く刺さったとみられ被害を拡大した可能性があった。

 
 このいたましい事故についてはバス運転手のみならず、道路の構造のそのものについても問題があるかもしれない。防音壁がガードレールより道路側に設置されていたか、あるいはガードレールの衝突によって防音壁にぶつかるような構造になっていれば、高速道路としては欠陥かもしれない。
 
 交通事故では道路の構造上の欠陥や、交通誘導員のミスなど道路の管理に関する問題がある場合には道路管理者の責任を追求することになる。
 
 関越自動車道の事故の場合、東日本高速道路株式会社が管理するが、国の管理と同じ扱いであるため、国家賠償法が適用される。同法2条「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があった」場合は賠償責任を負うと定めている。
 
 この場合、管理者の過失は賠償の要件とはなっていない。被害者は営造物の設置、管理の瑕疵を明らかにすればよい。そのため、この種の事件は国賠2条を使うことが多い。
 
 施設の瑕疵、この点については道路の落石事故によって死亡したという事件があり、有名な最高裁判決がある(最判S45.8.20判決)。
 最高裁は「営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、これに基づく国および公共団体の賠償責任については、その過失の存在を必要としないと解することを相当とする。」よく落石が起こるのに放置されている状態を「瑕疵」と判断した。
 
 本件では防音壁が出っ張るような構造でれば、そのような出っ張り、あるいはガードレールを押し倒すことによって出っ張りが生じる構造になっているとしたら、瑕疵にあたるかもしれない。道路においては出っ張りが大きな被害につながることは常識的なことがらだと思う。これが一般常識だとしたら、施設管理の瑕疵といいうるかもしれない。
 
 実際の裁判ではガードレール、防音壁の構造、位置関係、バスがガードレールに衝突した経過などを検討することになる。
 
 この事故では防音壁がバスを貫き、7名が防音壁に押しつぶされて死亡したということらしい。道路に出っ張りが死亡事故を増大させるというのはかねて言われてることで、高速道路に限らず一般道でも工夫がこらされてきた。こうした事情を考えると道路の瑕疵と言えるかも知れない。