2014.05.14 水曜日

豊橋発:団交の申し入れ

法律相談はE&J豊橋法律事務所の弁護士が対応いたします。

 

 経営者がどんなに努力しても、うまくいかない従業員は存在する。そんな従業員に対して,退職勧奨したりすると組合に入って団交を申し込んだりする。
 
 今回、依頼者の相談は職場の仲間と全然なじめない従業員に対して退職勧奨したところ、従業員が何とかユニオンとiいう企業横断的な労働組合に加入して団交を申し入れてきたというものだ。従業員は長期残業からうつ状態になったという。うつ状態の労働者に配慮亡くして退職勧奨というのはけしからんという内容だ。
 
 中小企業では団交などは経験のない企業が多い。社長としても初めての経験で、不安も多い。困ったということで私の事務所に相談に来た。団交は憲法で保障された権利であるから避けることはできない。経営者としては正面から向かい合う外はない。
 
 こうした場合の団交の極意は事実をよく整理しておくことが重要だ。どんな交渉でも事実を基礎に交渉される。事実がよく整理され、問題となっている事実に対して正当な評価がされていれば、たいていの交渉は恐くない。弱いところは隠すか、引くかし、隠しきれなければ認めて、その上での対応を考える。強いところは強調する、交渉というのはそうしたものだ。
 
  本件では
  ① 職場になじめず、繰り返し仲間から配転して欲しいと言う要望があった。そのたびごとに本人に説明して改善を求めてきた。
  ② 上司に対する言葉遣い、指揮命令に対する反発など労働者としての義務に反している。
  ③ これまで生活状況に配慮して職場配置をしてきたが、作業能率が極端に悪い以上、給料減額か、退職かを求めざる得ない。
  こうした事情を、さらい裏付けるエピソードを蓄積させて事実を固めていくのだ。配転が多数ある事実、上司と話し合った事実、作業能率が他の従業員に比較して半分である事実、など細かなエピソードを具体的に確保しておくことが重要である。
 
 ちなみに、最近の労働者はよくうつ病になる。本当にうつ病の例もあるだろうが、中にはいい加減なものもある。うつ病、特にうつ状態と言われる病態は非常にわかりにくい。基本的には「眠れない」、「元気が出ない」「朝起きることができない」「すぐ泣いてしまう」といったうつ状態の症状が現れれば、医師としては一応「うつ状態」と診断して医薬品を処方する。休業に要する日数も本人の言うままに認定する傾向がある。
 
 こうした事情があるのか、最近「うつ状態」「うつ病」を理由にした団交が多くなっているように思う。うつ状態になったのは劣悪な職場環境を作り上げた会社の責任であるというのである。今回の相談もそのような内容だった。こうした、労災と雇用の関係はあいまいで割り切れない。