2014.05.21 水曜日

豊橋発:若年者の逸失利益

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 交通事故で後遺障害を負った場合、又は死亡してしまった場合、事故がなければ将来にわたって稼げたはずなのに、その稼ぐ能力が失われたことになりますので、その失われた利益(逸失利益と言います)を加害者に損害賠償請求できます。

 この逸失利益算定にあたって、実際に収入がある会社員の方などは、事故前の実際の収入を基礎収入として算定されます。
 まだ仕事をしていない若年者の場合は、基本的に世の中の人の平均収入を基準とされます。
 その平均収入は、賃金センサスというものでまとめられているのですが、様々な分類がされています。
 中卒の男性の若年者が交通事故によって死亡した場合を考えると、男性の全年齢平均額か中卒者平均額のどちらを基礎収入とするかで争われます(前者の方が逸失利益が大きくなる)。
 この点、仙台地判平成20年2月27日は、交通事故で死亡した被害者の遺失利益について,学歴は高校中退であるが,若年であり,2箇所でアルバイトをするなど勤労意欲が高く,その就労能力の向上も十分に見込まれることから,賃金センサス男性労働者・学歴計の平均年収、すなわち男性の全年齢平均収入額を基礎収入とするのが相当として算定しています。
 なので、実際の裁判では、被告側からは、「中卒なんだから中卒者平均収入額で算定すべきだ」と主張してくるのに対し、原告側から、「勤労意欲が高く,その就労能力の向上も十分に見込まれる」など、男性の全年齢平均収入額を得られる蓋然性があったことを主張していかなければなりません。
 なお、その被害者が大学卒業が確実に見込まれるとか、より大きい収入を得る可能性が高いといえるような特殊事情がある場合には、より高い金額が基礎収入とされることがあります。