名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.04.18 火曜日

老人の交通事故

老人が被害者である場合,老人特有の問題があります。たとえば職業についているかどうかに関しては逸失利益や休業損害に関わることになります。多くは無職ですが,中には職業を持っていたりします。専業主婦であれば職業があるのと同じように扱われ,休業損害や逸失利益は認められます。

 
 職業があれば休業損害も支払われるし,逸失利益と言って被害がなければ将来得られたであろう利益も賠償の対象となります。問題はいつまで働けると考えるかが問題となります。老人ではない場合は一応67歳まで働けるという判例の考えが定着しています。しかし,老人の場合,この年を超えているような場合もありますし,65歳のようにあと2年で67歳になってしまうような場合もあります。こうした場合は平均余命の半分の年数だけ働けるというような考え方で処理されています。
 
 老人で大きな問題はなんと言っても被害と事故との因果関係です。
 老人はもともと病気になりやすい,精神的にも傷つきやすい,既に病気を持っている例もあります。そのため,特定の被害が事故によって生じたものか,加齢性の変化から生じたのかよく分からない事例もあります。
 
 たとえば事故をきっかけに痴呆が始まったような例もあるでしょう。神戸地裁平成1388日判決は骨折が原因して寝たきりとななり,さらに痴呆が始まったような事例について,痴呆と事故との因果関係を一応認めました。しかし,年齢のせいもあるというので20%減額しています。