名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.04.18 火曜日

PTSDと後遺障害

PTSDとは、心的外傷後ストレス障害の略語です。事故などの衝撃的な体験により心に大きな傷を負った結果、再体験症状、回避・麻痺症状、覚醒亢進症状などを発症し、日常生活に支障をきたす疾患のことを言います。
 
さて、このPTSDについては、そもそも裁判においてPTSDと認められるかという問題もありますが、ここでは後遺障害等級の認定の問題について触れたいと思います。
PTSDの症状は様々ですが、基本的には労災認定における判断基準にしたがって評価することになります。具体的には、日常生活や通勤・勤務時間の遵守、作業持続性、対人関係・協調性などの8項目について、各項目を4段階評価し、総合的に能力の障害程度を判断し、7級、9級、12級、14級、非該当の4段階で等級認定がなされています。もっとも、PTSDを含む非器質的精神障害は、本質的には身体的機能に障害はないことから、適切な治療を受けることで症状が完治する可能性があると考えられます。このような特徴があるため、裁判において9級を超える後遺障害等級の認定を受けること(その等級に該当する労働能力喪失率、期間の認定を受けること)は中々容易ではありません。