名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.06.12 月曜日

画像所見のないが12級が認められた事例 №1

交通事故 画像所見のないが12級が認められた事例 №1

 当事務所が非常に力を入れていた事件の判決が出た。
これはMRIなど画像所見からは異常は認められないが諸事情を考慮して12級を認めた。さらに、39歳から67歳までの労働能力喪失期間を認めるという画期的なものであった。

 当初の整形外科では、ライト・テスト、スパーリングテストがいずれも陰性だった。画像上の所見も認められなかった。依頼者は初診時の医師が納得せず、別の整形外科にセカンドオピニオンを求めたところ、画像上の所見は認められなかった。しかし、スパーリングテイストなどは陽性と判断された。しかし、頸部の疼痛は筋膜性の疼痛と判断した。
 
 交通事故を専門にしている者であれば、異常の所見で自賠責の後遺症認定を取るのは難しい事例であることが分かるだろう。受診当初の医師の診断で神経学的な所見がとれず、画像所見でも輝度変化が見られない事例では、本人がいくらしびれる、痛いと言ったところで後遺症認定をとるのは難しい。とれても14級が限界だろう。
 
 本件被害者が私の事務所に相談にこられた時点では被害がひどく、痛そうだったので12級をめざすことにした。しかし、MRIなどの画像所見がないことから自賠責の認定では到底まともな判断が出ないことも予想できた。本件では通勤途上災害であるため労災であることは間違いなかった。
 
 以上の事情下で、私は依頼者と話し合い、後遺障害の事前認定をとらない方針に決め、労災認定手続きのみで賠償を求めることにした。その上で、訴訟をすることにした。本件では自賠責の手続きは一切行わない方針を選択したのだ。
 
 このような選択をしたのは、画像所見に乏しい本件では後遺症認定がとれたとしてもせいぜい14級程度と踏んだからだ。認定、その後の異議申立をしたとしても認められず、かえって損保側にお墨付きを与えるだけだと考えた。実際に裁判になると、損保の代理人は異議申立の決定をそのまま引用して、自分たちの主張に変えてくる。異議申立が失敗した場合には裁判にとってもよくない影響を与える
 
                                                                            続く