名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.11.13 月曜日

後遺障害の等級認定

事務所は交通事故、特に後遺障害の等級認定が微妙な事案が多いように思います。

 認定に納得ができない場合、一度否定された事故と生じている被害の因果関係を一から立証しなくてはいけませんから、実はこれはとても大変です。裁判所は事前認定の結果を重視する場合が多いのが現状だからです。
 
ただ、交通事故の被害者(依頼者)さんと話していると、どう考えてもひどい症状があるのに、画像、他覚所見がないということで、事前認定などで症状とつりあわない後遺障害等級認定になってしまっている方がたくさんいます。
こういった現状を見ると、画像や、明らかな他覚所見がない限り、低い等級認定となってしまう事前認定という制度自体の欠陥を日々感じざるを得ません。
 
こういった事案にぶつかると、私たちは必ず主治医や専門医に話を聞きに行き、医学文献を取り寄せて検討をするのですが、時に医師によって考え方が全く違うことに驚きます。
交通事故被害者の方に多い「椎間板ヘルニア」の発生機序やヘルニア周辺の痛みの発生の程度ですら、医師によって考え方が違います。
また、何らか症状がある場合にそれが脳の問題なのか、脊髄の問題なのか、より末梢の神経の問題なのかが不明で、分野が横断的になればなるほど、脳神経外科や整形外科、神経内科、ペインクリニック(場合によっては心療内科)などの医師によって、全く解釈が異なる場合が多いように感じます。
更には、最新の見解というのも時間を追ってどんどんと変わっていくようです(私たちの世界の判例法理と同じですね)。「低髄液圧症」などはその典型かもしれません。
私たちは、医師や科学も万能ではなく、まだまだ人間の体には未解明な部分があるということを常に意識しなければいけないのだろうということを常々感じます。
とはいえ、裁判の場では、「高度の蓋然性(十中八九間違い無いだろうという状態)」の立証が求められるわけですから、「わからないがとにかく症状があるんだ」では通りません。

  難しい問題ですが、自分が一番納得いく説明で裁判官を説得するしかないのだろうと思っています。


(この記事は弁護士小島寛司が担当しました)
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