名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.11.20 月曜日

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例 (1)

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例 (1)

 腰部についてMRIについては「椎間板の膨隆」はあるものの神経根、脊髄の圧迫所見は見られない。腱反射は正常で他覚的に神経系統の障害を示す検査結果はない。わずかに後遺障害診断書に腰椎すべり症、椎間板障害軽度ありと記されていた。これについては事前認定では14級となり裁判となった。異議申立もしたのだが、後から考えれば、異議申立は無駄だった。
 
 これだけでは通常14級で終わる事件だが、私たちは訴訟では12級を主張した。原告側の主張は後遺障害の判断は医学的判断ではなく、法的判断であるというものだ。つまり、医証だけで判断するのは誤りで、医証は判断の1要素でしかない。重要なのは被害の実態を直視することだという主張を展開した。
 
 裁判所は14級を維持したが、労働能力喪失率を9%とし、喪失期間を7年と判断した。後遺症慰謝料は110万円を認定した。本件は医証だけからは14級となる事例でも、生活被害の重大性から5%を上回る認定をした事例として意義深いと考えられる(名古屋地裁H24年4月18日判決、平成22年(ワ)第3908号)。