名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.11.27 月曜日

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例 (2)

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例 (2)

 前の記事から続く。
 
 画像所見、神経学的な検査所見が見られないこの事例だが、生活上の被害が著しいので5%はひどいじゃないかというので、かなり力を入れて訴訟を進めた。その立証方針は単純だ。要するに事故直前は普通に仕事ができ、生活していたのに、事故直後から悪化し、そのまま回復しないで今日まで来ている。事故前、事故後の生活上の落差を直視せよというものだ。最終準備書面は概ね次のような項目となった。
 
 ① 事故の態様。被害者にいかに大きな衝撃が走ったかを車の損傷状況、事故時の被害者の姿勢から立証した。
 ② 痛みの変化
   1.事故前の生活状況
   2.事故直前の生活状況(特に事故の前日、当日)
   3.事故直後の生活の変化(症状固定後の変化は後遺障害の程度で明らかにした。)
   4.カルテなどからみられる治療経過(鎮痛剤などの投与回数、患者の訴え内容、通院頻度など)
 ③ 症状固定後の生活の変化
   1.職業上の生活の変化
   2.私生活上の生活の変化
 ④ 医学的な立証
   1.患者の被害のレベルからいって、最も合理的と思われる疾病名を推定する。
   2.立証責任の転換についての法律的論争。つまり、ある程度医学的に合理性をもって説明できれば、そうでないことを被告側が立証するべきであるという議論。
   3.事前認定制度、異議申立制度の致命的な欠陥(医証でしか判断しないこと、大量処理のために定型的、機械的判断ですましてしまい、患者の具体的状況を見ていないこと。)