2015.02.23 月曜日

豊橋発:人材育成の妙

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 「人は城、人は石垣、人は堀」と武田信玄は言った。人は石ころ、石垣のように使えという訳ではもちろんない。

 どんなに堅固な城でも所詮は人に恵まれなければ役に立たないし、逆に人さえしっかりしていれば、城など堅固でなくとも守ることはできる、人材が全てというような考え方だ。
 
 中小企業家の集まりで人材育成のあり方について意見交換が行われた。おもしろいのはある金属加工業の話だ。この会社では飛行機やロケットなどの部品加工を手がけている。
 
 この会社では社員の生産性を上げるために、仕事のプロセスをセグメントに分けて各工程がどれだけの利益を生んでいるかを評価した。そして、それを従業員の生産性として評価したのだ。
 
 工程を分けて、利益換算するというのは何か神業のような気がする。よくできたものだ。きっと大変な努力をしたに違いない。しかし、報告者(社長の息子)に尋ねてみると、うまく機能しなかったそうだ。
 
 いくつか問題点はあるが、生産性が高い、つまり利益評価の高いセクションはいっしょうけんめいやり、そうでないところは手を抜くようになったというのだ。あるいは、自らのセクションに一生懸命になり、他人を手伝おうとしなくなったというのだ。
 
 アメとムチ方式ではどうしたってアメに行くに決まっている、利益を生まないとされていたって、生産には必要だから本当は利益を生む。作業が正当に評価されない弊害も生んでいる。自分の利益を追求すれば助け合いの精神は生まれなくなる。
 
 そこで、この会社では仕事の評価方式を改めた。どのように改めたかというと、振るっている。そういうことを止めたのだ。難しい評価システムを「一生懸命考えたのに無駄になった。」という面はあるが、この会社はその代償として貴重な教訓を生んだ。
 
 それは、職場コミュニティの重要性だ。人はアメとムチだけで動くものではない。コミュニティの中で自分の役割を見いだし、コミュニティに認められることに「達成感」得る。それが喜びともなる。会社ではコミュニティが認める「達成」の基準を示す必要がある。
 
 それは顧客満足かもしれないし、一定の生産目標かもしれない。不良率の低減かも知れないし、人への思いやりかも知れない。
 
 つまり、会社としては会社を動かす明快な理念をしめして評価を基準をつくり、人々がコミュニティとして動きやすいように責任と権限を明確する。組織内部の意思疎通を促進する為に組織的な会議、報告システムを作りあげるほか、非規則的なルール(風土)を促進するための行動を起こすことになる。