2015.03.27 金曜日

豊橋発:知識労働者 knowledge worker

知識労働者 knowledge worker

 ドラッカーの重要な考え方に「知識労働者」という言葉がある。この言葉は「断絶の時代」でドラッカーが初めて使った言葉で、今日ではマネジメントを語る上では重要な言葉になっている。組織に対して、自ら責任を自覚して、自ら判断する労働者という意味になるだろう。(ドラッカー「マネジメントⅢ」日経BP、161頁)
 
 ドラッカーの理想からすれば、従来の上意下達の硬直した組織から知識、判断、責任が与えられた自主的な組織に変化させることになる。マネージャーはいかに仕事をさせるかではなく、部下がよりよく責任を果たせるためには何をすべきかを考える地位に立つ。権限は狭くするのではなく、責任の範囲を明確にして権限を広く与えることになる。このような組織では「責任」を基準に組織を考えることになる。
 
 「責任」と基準とするというのは、会社の目標を理解して、成果をあげることを意味する。決められたノルマをこなすというのとは異なる。コンビニの店員が決められた通りに笑顔を作って売るのとは異なる。顧客によりよいサービスを提供して会社の目標、社会での存在意義を実現することに責任を持つのである。店員は自分の責任で顧客のサービスを考え、顧客を惹きつける手法を考えていくことになる。
 
 「地位の高い人にただ従うのではなく、各自が自分の責任を果たし、権力ではなく成果を権限の源泉にすることを意味する。」、もちろんそのためには意思決定の権限を疑いの余地のないほど明確にする必要がある。そこでの問いは「この職務から最大限、どれだけの貢献が引き出せるはずか?」というものになる。
 
 ドラッカーはこうした組織を知識を柱とした組織、知識組織(knowledge organization)と呼んでいる。そこでマネジメントする人たちは「知識を活かして仕事をし、知識をもとに、全社の活動ぶり、成果、将来の方向性を左右する判断を下す人々である。」