名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.07.02 月曜日

交通事故 死亡事故と弁護士への依頼

交通事故 死亡事故と弁護士への依頼

 死亡事件の相談を受けた。保険会社による最初の提案は、3000万円。自賠責の範囲の金額だ。主婦のパート収入を基準に逸失利益を算定し、生活費控除の割合大きかった。慰謝料も1800万円程度だった。
 
 人をばかにしているとしか言いようがない。主婦である以上、女子平均賃金が基準になっていいはずだ。慰謝料だって2000万円を超えてよい。依頼者はさらに交渉を続け、平均賃金を基準にしているし、慰謝料も増額した。依頼者は言う「人の死に対する賠償に、かけひきをもってくるというのはどういうことでしょうね。」。判例ですでに認められた基準を平気で無視して安く見積もり、指摘されると増額する、そうした態度が人をばかにしているというだ。
 
 本件では年金の逸失利益も認めないそうだ。依頼者は疲れてしまって、弁護士に依頼することも考えている。
 
 このような場合、弁護士に介入することによりおそらく増額するだろう。示談交渉のレベルであれば、紛争処理センターを利用すれば、弁護士を頼まなくてもそこそこ行きそうな気がする。依頼者に気力があるなら、死亡慰謝料を2500万円から3000万円、逸失利益を女子平均賃金、生活費控除を30%程度、年金の逸失利益などを算定し紛センを利用する価値がある。
 
 訴訟については、経験上、示談交渉よりも訴訟した方が経済的には有利だ。
 訴訟であれば、事故時から、年5%の遅延損害金が加算される。仮に賠償額4000万円であれば、1年で2000万円つく。さらに、訴訟の場合は弁護士費用の一部も加算されるのでさらに有利となる。
 
 訴訟のメリットはさらに、賠償額の上限を追求できる点だ。過失相殺などが問題になる事例では訴訟の方がよいだろう。
 
 訴訟の場合は、「事件を引きずる」という精神的負担が問題だろう。早期解決を図るということであれば、訴訟を避けることになる。