名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.07.09 月曜日

交通事故 誰が専門家であるか

交通事故 誰が専門家であるか

 昨日,私の事務所で交通事故の専門家というのは何だろうかというテーマで会議を持った。
 
① 科学的な論争について
 難しい事件に勝利するということがあるだろう。交通事故事件は科学と交錯する。医学的な論争に勝利することが必要だろう。当事務所は医療過誤訴訟を多く手がけている。交通事故事件は実際には医療過誤訴訟に比較すればそれほど難しい訳ではない。交通事故の発生や過失について工学的な知識が求められることがある。これは工学的な知識も重要だが,事実を丁寧に洗っていくことが必要だ。知識そのものも重要だが,あきらめない追及力,忍耐力が求められる。当事務所は環境事件を多く手かげており,ダム開発,道路建設,廃棄物による工学的な問題など手がけている。科学的テーマは当事務所の得意分野だ。
 
② 勝訴,増額といった成果
 交通事故を専門とするという弁護士のサイトを見ると,保険会社の提示金額からどれくらいアップしたかを掲載するサイトがけっこうある。しかし,保険会社提示金額は少額なのが普通で,弁護士が交渉すればほとんどが増額する。裁判になれば増額するのが通常だ。別に専門性がなくてもある程度の増額が見込める。それに,解決の本当の姿は必ずしも金額の増額にない。私たちは増額の程度を示すのは止めようということになった。しかし,依頼者からしてみればどれくらい増額するかが重要な関心事かもしれない。少なくとも,ウェブにアップするのはやめようということになった。
 
③ 死亡,遷延性意識障害,高次脳機能障害
 こうした重大事件を解決できる弁護士は優秀か。
 死亡,遷延性意識障害はそれほど難しい事件ではない。高次脳機能障害については,画像所見などが乏しい事件で勝訴することはすぐれた弁護士としてもよいかと思う。重大事件は多くは被害については立証の材料はそろっている。むしろ,日常生活がある程度おくれる被害が難しい。神経症状などの後遺障害を争う事件は難しい。こうした事件を取組み,普通にはない結論を勝ち取るのはすぐれた弁護士と言える。
 
④ 人の気持ちが分かる。
 私の事務所は環境問題を扱い,人権を重視する。人が苦しんでいる姿に弁護士として何かしたいというそうした気持ちが大切だ。依頼者が,この人は私のために一生懸命やってくれているという気持ちになることが大切だ。そのような信頼関係を築ける弁護士は優秀だ。私たちの事務所のリーガルサービスの基準はそこにある。