名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.07.16 日曜日

交通事故 筋電図検査を考慮した12級

交通事故 筋電図検査を考慮した12級

 交通事故訴訟では医師の意見書が提出されることがある。守秘義務があって詳しくお伝えできないが,こういう事例もある。 
 
 頑迷な痛み,しびれのある事例だが,レントゲン,MRIとも際だった所見はない。これは、被告が依頼した医師の意見書だ。内容としては、損保の立場というよりは、被害者の立場に立っているような内容になっている。
 
 「筋電図検査における右C6,L5神経根の部分的軸索変性がある。」「筋電図検査は客観性は高いが,右L5神経根の部分的軸索変性の原因となりうるL4/5椎間板ヘルニアのMRI上の増大が事故と関連はないと判断されるので,右L5神経根の部分的軸索変性も事故との漢れせいはないと判断される。」「後遺障害は,自覚症状に加えてC6神経根損傷を加味した第12級,腰部の症状は自覚症状に加えて,MRIのL4/5高位の椎間孔狭窄があるので第14級とするのが妥当である。」
 
 要するに,腰の痛みを14級としたのは,自覚症状に加えて,「MRIのL4/5高位の椎間孔狭窄」という医学的に説明できる痛みであることが根拠となっている。つまり、自覚症状だけでは非該当だが、「椎間孔狭窄」と事故との因果関係は明確ではないとしているものの、「椎間孔狭窄」という事情が認定の理由になっている。
 
 首の症状を12級としたのは自覚症状に加えて,筋電図検査結果を考慮したというのである。通常12級に認定されるためには自覚症状に加えて,他覚所見とされている。上記の判断は筋電図検査結果を他覚所見として尊重したということになる。