名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.06.07 火曜日

中国土地払下げ手続

中国では土地の所有権は原則として認められていない。企業が土地の利用を図るためには土地使用権を取得しなければならない。

 
  中国土地取得についてはこちらの記事もどうぞ。
                →№754 中国土地取引、下駄を履いてみないと分か…
 
 土地使用権の取得のためには、まず、会社が人民政府との間で土地使用権払下契約を締結しなければならない。その上で払下金を納付したのちに、人民政府がその土地を会社に引き渡すことになる(都市不動産管理法8条、15条、16条、17条)。
 
 土地の使用権を有償で払下げられた場合には、払下土地使用権については譲渡、賃貸、抵当権の設定が可能である(払下暫定条例4条)。そんなんだったら、いっそのこと所有権と言ってしまえばいいところ、あくまで土地使用権としているのは中国が社会主義国だからだ。土地の私的所有は搾取の始まりであり、資本主義の始まりでよろしくない。
 
 払下げの対象となった土地が農地であった場合には、払下契約を締結する前に払下げ希望者はあらかじめ人民政府による建設用地認可(農地転用みたいなものですかね。)を得なければならない。どうもこれがけっこうめんどくさいらしい。
 
 払下げめぐっては、ある外資系会社が人民政府との間で土地使用権払下契約を締結したところ、農地の建設用地許可無かったということで契約を解除されてしまった事件がある。政府は契約を締結しておいて、あとから解除するとはいかにも中国らしい。
 
 外資系企業は裁判を提起し、2005年12月22日、最高人民法院は契約は有効であるとした判断した。確かに契約締結時、建設用地許可は無かったのだから、本来契約は無効である、しかし、後になって建設用地許可を得たのであるから、過去の契約の欠陥が追完されたというのである(契約法51条)。
 
 この事件は外資系企業は人民政府相手に裁判した事例であり、企業側が勝訴したというめずらしい事例である。