名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.07.07 木曜日

海外中小企業と連携する

中小企業家同友会の海外対応に関する研究会が続いている。

 
 合資会社村瀬商会は各種帽子を販売する会社だ。販売価格の中心は1900円ゾーンだという。生協や大手スーパーを顧客に持ち、全国的に展開している。このような価格帯で勝負するのは大変なことだ。アパレル関係なので消費者の目移りも激しい上に、ライバルも多い。大手スーパーは常に価格ダウンの圧力を加えてくる。
 
 しかし、このような厳しい情勢下にあって、事業を持続できることこそ強い強みとして出てくる。つまり、一つの強い企業のみが生き残っていくのである。この会社は帽子、マフラー、手袋とこうした日常雑貨に近い商品で勝負している。
 
 さて、この会社の特徴は自らの製造を行わない点だ。製造はタイ、中国の企業に外注している。どん欲に外注先を見つけ出し、製造を委託する。品質にあわなければ次の商談では値引きを迫る。それでもダメなら取引先を変える。
 
 もちろん、内容は単純ではない。タイの会社にしろ、中国の会社にしろそもそも日本レベルの品質の意味が分からなければ、要望には応じられない。外国企業が日本品質を目指せるよう技術的、精神的な指導があるのだろう。
 
 海外対応を果たしている村瀬商会の目利きのよさは実にこの点にあるのではないだろうか。つまり、日本品質の技術がある、というよりは発注者からの要望を素直に受け入れ、品質向上を目指して改善をしようという、企業としてのまじめな姿勢を見抜く力が今日の成功を作りあげているように思う。
 
 それにしても、今回の研究会で、その意をますます強くしたのだが、海外の中小企業の発展は著しい。村瀬商会の例ではタイ、中国の会社が日本品質を作りあげるだけの実力を持っている。村瀬商会は日本国内の市場に対応するため、国外企業の積極活用の道を選んだ。
 
 著しく進展するグローバリゼーションにあって、中小企業の海外対応は企業連携の組み合わせがカギを握ると思う。成長した海外の中小企業を恐ろしいライバルと見るだけでなく、心強いパートナーといいう視点で見ることが不可欠だ。
 
 研究会では株式会社メイクという金型の会社の社長からの報告もあったが、天津では中国、韓国といった多くの製造業が充実した設備を備えて稼働している。私の知り合いのコンサルも煙台の中小企業家たちが欧米風の「マネジメント」強い関心を持ち、セミナーに集まってくるという。こうした企業家たちといかにつきあい、アジア市場の中に自分たちのコミュニティを作り上げることができるかが中小企業海外対応のキーポイントだ。