名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.07.25 月曜日

組織をどのように作るか

ドラッカーは組織を作るに当たって、重要活動を押さえておけばよいとしている。ドラッカーの考えは「組織は戦略に従う」であるが、戦略を作り上げ、大聖堂を組み立てるように組織を体系的に作り上げていく。

 
 その場合、重要活動を明確にして、事業戦略を成功へと導き、事業目標を達成するのに欠かせないものとして組織上の位置づけを行うことになる。土台、柱、屋根といった組織の中核となる活動を明確にすることが必要だ。
 
 重要活動か否かは次の問いによって導きられる。
① 会社目標を達成するためには、どの分野で卓越性が求められるか。
② どの分野での成果が乏しいと、会社にとって大きなダメージとなるか。
 
 ①の問いについては、会社にとって顧客は誰かという問いから導き出せると思う。ドラッカーの教科書によると英国の小売商マークス・アンド・スペンサーは「上流階級向けと同じ品を労働者の家庭のために供給する」を自社の務めとした。徐々に経済力をつけ始めた一般労働者に、あこがれの日用品を安く提供することがM&A社の戦略だった。M&A社は商品開発に力を入れ、新製品を生み出す研究所を組織上重要な位置づけを与え、事業プランニングを決定する権限を与えている。
 
 ①のような問いは何も大企業にかかわる話ではない。たとえば中小企業の場合、大企業を顧客として、自社の技術、商品を売り込む必要がある。ある製造業が特定分野について自社の「技術・商品」を売り込むという事業戦略を立てた場合、「技術」と「商品」が戦略上欠かせない要素となる。
 
 「技術」部門では高技術の維持、新技術の開発が組織上重要素となるだろう。「商品」として売り出す場合には営業部門が重要な組織上の要素となるだろう。顧客は「技術・商品」を求めているのだから、組織上「技術」と「商品」の部門は顧客の要求に応えるための関係を作り上げる必要がある。
 
 関係はどのようなものになるかはさらに深い掘り下げが必要になるだろう。技術部門は営業部門から得られる顧客情報を得る必要があるし、当社は何ができるかという技術情報を営業部門を得る必要があるだろう。顧客は当社の持っている技術、創造性をどうやって知ることができるかという点で、技術も営業をしなければならないかもしれない。
 
 ②のような問いは忘れがちであるという。
 たとえば、顧客管理、総務や経理、人事と言った間接部門に関する位置づけは重要であると同時に不要なものが生まれやすい部門でもある。このような部門で、「成果が乏しいと、会社にとって大きなダメージとなるか。」というのは問いが繰り返されなければならない。
  
 経理は正確な帳簿を作り、事業の状況を正確に可視化するという基本的任務がある。しかし、それだけでいいだろうか。会社の経営状態を分析し、業績の上がっている活動、あがらない活動、あまりにもコストがかかる活動など会社運営に関する問題点の指摘も任務ではないか。その場合に成果とは何か。成果をはかる基準は何か。会社の利益とどのように結びつけて成果をはかるか。こうしたことが検討され、組織上の位置づけが決められていく。