名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.09.15 木曜日

パブリシティ権、ピンクレディの肖像権

雑誌がピンクレディーの写真を勝手に掲載したとして、出版社が訴えられた。「肖像の有する吸引力」、パブリシティ権を侵害するかが争われた。この事件の最高裁判決が最近出ている。

 
 パブリシティー権とは、歌手などの有名人の氏名、肖像等が有する「顧客吸引力を排他的に使用する権利」を言う。プライバシーの権利の一つとして米国で議論され、日本でも定着した権利だ。歌手などは肖像や氏名を売り出すために多額の投資を行っている。その成果は保護に値するとされているのである。
 
 一般に肖像権という権利があって、勝手に写真をとられて利用されたくない権利として一応保護されている。パブリシティ権も人格権の一つとして考えられているが、「顧客吸引力」という商業的価値に着目されて保護されている点に特色がある。特許や著作権など知的財産に似た側面がある。
 
 しかし、有名人は社会的な存在だから、何らかの形で報道の対象になったりする。このブログ記事でも「ピンクレディー」という言葉を使っている。それを全てパブリシティ権の侵害として扱うと、今度は表現の自由、報道の自由を侵害するものとして問題になる。報道の自由の重要性を考えれば、極力制限されるべきではないかと思う。
 
 今回の最高裁の判決は、パブリシティ権が保護される場合の基準を示している(最判H24.2.2、判タ1367号、97頁)。
「肖像等を無断で使用する行為は、①肖像等それ自体を独立して干渉の対象となる商品等として使用し、②商品などの差別化を図る目的を肖像等を商品等に付し、③肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等を有する顧客吸引力を利用を目的とするといえる場合に、パブリシティ権を侵害するものとして不法行為法上違法となる」としている。
 
 最高裁はこの事例では上告人、ピンクレディ側を敗訴させている。