名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.10.20 木曜日

労働委員会

例えば、解雇のような問題が生じた場合、解雇された側は労働審判制度や訴訟制度を活用することがある。中小企業に取ってはこれらの手続きはかなり負担となっており、ほとんどが「和解」による解決が図られているのではないだろうか。直感的には、解雇のような場合には3ヶ月から6ヶ月ぐらいの給料分、だいたい100万円ぐらいを労働者に支払って解雇を認めさせるという風に解決しているようだ。

 
 これとは別に労働委員会によって解決が図られる例がある。中央労働委員会と都道府県地方労働委員会に分かれている。愛知県の場合には愛知県労働委員会という名前になっている。地方自治法によって設置され、労働組合法によって運営されている
 
 都道府県地労委は不当労働行為に対して、救済命令を発することができる。これは純粋な行政処分となっている。一般の人にはわかりにくいかも知れないが、行政処分と私上の効果とは異なる。例えば、地労委が解雇を不当労働行為と認定しても、すぐに解雇が無効となるわけではない。
 
 しかし、地労委については行政処分としての強制力があり、救済命令に反すると責任社は1年以下の禁固、もしくは100万円以下の罰金に処せられる。そのため命令が確定してしまうと従わざる得ない。
 
 地労委の救済命令と、労働審判や判決での救済措置とは異なることがある。救済命令は当事者間の権利義務、不当労働行為の有無などを基礎にしながらも、事案に応じた柔軟な対応をすることが許されるからだ。そのため、裁判では対応できない措置もありうることになる。
 
 地労委の命令に不服がある場合には地労委の命令に対する裁判が行われることになる。この場合は裁判は労働委員会と不服のある者との関係で争われることになる。