名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.10.27 木曜日

電子情報と営業秘密

 インターネットによる情報交換、情報発信はいまや当たり前になってしまった。中小企業にとってインターネットの活用が死命を制する場合もある。中小企業法務を専門とする私としてはこの問題も無視できない。
 
 最近も依頼者のサーバーに何ものかが不正アクセスしデータを盗み取った疑いが出てきた。データ管理の状況からID及びパスワードを知っている者ということになるが、その特定が難しかった。会社では辞めた社員が不正アクセスしたのだろうと考えている。
 
 こうした問題について、大企業の場合だと自社で調査を行ったり、専門会社に調査を委託することも可能だろう。しかし、中小企業の場合はそうは行かない。不正アクセスの為の何百万円もかけるほど余裕はない。
 
 当然、こうした問題を扱う場合には警察を利用することになる。
 一番やりやすいのが不正アクセス防止法を利用することだ。この法律はパスワード、IDを権限無くしてアクセスするだけで処罰される。情報を盗み取ったかどうかは関係がない。
 
 不正アクセス防止法 → http://www.ipa.go.jp/security/ciadr/law199908.html 
 
 まず、この法律を利用して警察の介入を要請して捜査を求める。さらにその過程で情報を不正に入手していることが判明した場合には、不正競争防止法を利用していく。この法律の効用は多岐にわたるが、情報を盗み取る行為も禁止している(不正競争防止法2条1項4号から9号)。これは営業秘密を盗み取った場合に適用される。実際に利用したかどうかは関係なく、許可無く秘密情報を入手すれば犯罪となる。何かに利用したり、公表したりするような行為は必要ない。
 
 不正競争防止法 → http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO047.html 
 
 警察を利用して情報を収集して、不正に情報を入手して競業行為をしていれば、こんどは損害賠償請求や特定の事業の差し止めを求めていくことになる。不正競争防止法ではこうした条文も規定している。