名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.11.10 木曜日

中国都市問題 バブルかな?

私の事務所は中国東営市との交流を続けてている。黄河河口のこの都市は近年急激に都市開発が進められている。

 
 黄河デルタにあって豊かな自然環境を持つこの地域は環境都市を目指して開発を進めている。この環境都市は中国の都市計画の主要な課題となっており、中国各地で環境共生や省資源・資源循環効率化などがコンセプトになって都市開発が進められている。
 
 中国各地で進めれている大型開発を見ると、1970年代に日本が経験したリゾート開発にとてもよく似ている。この時期、自然との共生の名のもとに全国各地で無意味な大規模開発が行われた。当時のリゾート開発は自然のことはほとんど考えていなかった。
 
 実際にはただ同然の山林をゴルフ場にすることで高額な価格に作り替え、その大きな差益で利益をあげていた。開発さえすれば利益が上がり、その後実際に需要があるかないかは全く無関心だった。実需のない開発はいずれ破綻し、今日の経済破綻の源流となっている。実需のない架空の利益を私達は「バブル」と呼んでいた。
 
 いまの中国はとてもよく似ている。
 中国は経済開発を進めるために大規模プラント作り続けている。都市も開発し、多くの工業団地、住宅を作りあげている。この仕組みには中国土地所有制度と開発区が深く関わっているという。
 
 中国は土地所有権は原則認めていない(土地管理法)。土地所有のあり方は社会主義の根幹にかかわる問題と考えられているからだ。国内の全ての土地は原則として国家の所有とし、例外的に農村などの集団所有形態が認められている。地方政府は公有地に対して「土地使用権」を開発業者に与えることで開発益を得ることができる。
 
 中国の地方政府は国庫からの補助金が少ないため、開発益は重要な財源になっているようだ。進出企業に対して「費」と呼ばれる税とは別の金銭を徴収する。開発に伴い耕地を工業用地になどに転用する際に「耕地占用税」を徴収するほか様々な税を徴収する。建設や開発に携わることで様々な利益が入る。また、折からのバブル経済で土地投機によってあぶく銭を得ようという不動産業も増えている。
 
 こうした開発熱に対して、経済技術開発区制度が問題視されている。我が国では悪名高きリゾート法が土地規制を緩和させた。開発が規制されてきた国有地にもリゾート開発の手が伸びていった。中国ではどうやら開発区制度が様々な規制を緩和させているため、それを利用した都市開発がブームになっているようだ。
 
 中国は1984 年に経済技術開発区の設置を開始した。国家級から省級,市級,県級及び郷鎮級(工業園区)など形態もさまざまである。開発区による広大な土地囲い込んでは対規模開発を進めている。
「開発区の名目で獲得した土地を企業に安く提供することでプロジェクトを呼びこみ,経済発展を促進させることが中国地方経済発展モデルとなった。いわゆる開発区発展モデルである。こうした土地開発による発展モデルの定着は,開発区による土地囲い込みをさらに狂気なものにした。」
 
 私の目からみても各地の開発区では凄まじい開発が進められている。かつての日本の教訓からすれば、このような状況は余り好ましいものとは思われない。