名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.11.24 木曜日

うつ病対応、2つの軸

 中小企業家同友会うつ病研究会の議論が徐々に成熟しつつある。
 
 メンタルヘルスコンサルタントから改めてレクチャーを受け、うつ病に関する認識を新たにした。彼女はうつ病は「成人病のようなもの」という。つまり、うつ病は生活習慣病のようなところがあって、本人のライフスタイルも含めて適切に環境が整うことで治癒したり改善したりすると言うのだ。
 
 長時間労働や加重な任務、セクハラやパワハラがうつ病の原因になっているということであれば、それを取り除くことも必要だろう。しかし、それだけでは解決できない問題もある。つまり、そもそも本人の治ろうという意欲が引き出す必要があるというのだ。食生活をきちんとする、夜更かしをしない、ちゃんと日光にあたる、そういった日常生活の基本的なリズムを作りあげることで就労に支障のないところまで改善するという。
 
 私の場合、うつ病というとどうしても、デリケートな人、配慮するべき人という考えが先行してしまう。そのため、本人に対してはそっとしておくべき人となってしまうところがある。考えてみれば、どんな病気も本人の治ろうという前向きな意思も必要なことだ。うつ病だからと言って甘えは許されないかも知れない。
 
 少なくとも、職場という就労することが求められている場にあっては前向きな姿勢が必要だ。適正な労務を提供するという義務が労働者側にある。うつ病であっても義務を履行しようという意欲なのだろう。
 
 うつ病の場合、意欲をわかせることができないという面もあるが、労務を提供できない以上、対価を求めることはできない。療養に向けて別の道を歩んでもらう他はない。それは、成人病によって働けなくなれば職場を去ることもあるのと同じだ。
 厳しいことを言うようだが、対価をもらって働くというのは責任というのが常に付きまとう。
 
 このようにうつ病を普通の病気と変わらないと考えた場合、企業としての対応策は自ずと決まってくるように思う。
① 一つはうつ病にならないためのメンタルヘルス的社内運営、うつ病になった場合のための健康回復的運営だ。うつ病の原因となった長時間労働を取り除く、パワハラ、セクハラがないよう社内教育を徹底するなどいろいろ体制を作ることになるだろう。また、うつ病になった社員のための生活指導も必要になるだろう。
 
② 二つ目は働けなくなった社員に対する処遇だ。厳しいようだが、休職、解雇ということがあり得る。そのための就業規則等の環境整備も必要だ。