名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.12.08 木曜日

共に働くパートナー

私が所属している中小企業家同友会では「労資見解」という文書を持っている。これは経営者の経営責任、労働者の権利の尊重、事業発展という労使双方の共通の目標で成り立っている。

 
 これは、労働者の権利は憲法や法律で守られた部分がそれは経営者としてはどうしようもない。だとしたら、それを利用して労働者とのよい関係を築き上げた方がよいというのが労資見解の考え方だ。
 
 労働者には労働契約上の権利がある。これは取引先との契約を守らなければならないのと同じだ。労働者には適正に労務を提供してもらわなければならないし、経営者としては対価として賃金はもちろん、適正な労働環境を作る義務がある。さらに、労働者は憲法や労働諸法によって守れた利益もある。
 
 労働者に権利があること、労働諸法規を守らなければならないことは仕方がないことだ。泣いても笑ってあるものはあるし、無くならない。例えば、残業すれば残業代を支払わなければならないし、休日出勤があれば割増賃金の支払いが必要だ。
 
 経営者は労働者の権利があるものと割り切りが必要だ。そして、どうせ支払わなければならないのであれば、気持ちよく支払うのがよい。経営者がきちんとやるのだから、路同社もきちんとやってもらわなければならない。それが、労資見解の真の意味だ。
 
 理想的には、労資は事業維持、拡大に向けて共通の利益を持つ。経営者は事業展開の夢を語り、それに呼応して働くのが従業員だ。苦しい時には経営者は事業打開策を示し、労働者はそれはそれに呼応して働く。
 
 ここのところの割り切り、つまり、従業員の能力はある種の制約をもちつつ発揮される。制約はしかたがない、制約があるならそれを利用して社員の忠誠心や能力を引きだそう、こうした割り切った考えが労資見解に含まれている。
 
 社内の労働組合ができあがり、未払い残業代の請求をされることがある。それは未払い残業代を払っていない方が悪いのだ。全額が無理なら分割、きちんと払うものを払い、さらに経営に対する前向きな姿勢を作りあげてもらった方が得だ。