名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.12.14 水曜日

特許の要件

特許を受けるためには、新規性、進歩性、産業上の利用可能性が求められている(特許法29条)。

 
 特許が新規のアイディアであっても、進歩性がなければ保護する価値はない。法29条2項は「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が」、公知の発明などに基いて「容易に発明をすることができたとき」は特許は与えないとした。
 
 では、「容易に発明することができた」(容易想到性)というのはどうやって判断することになるだろうか。
 
 発明の種類はいくつかの類型に分かれている。こうした類型に沿って、進歩性なども判断されていく。
 
① 寄せ集めの発明
  複数の公知発目の寄せ集めによって構成される発明
② 置換・転用発明
  公知技術を他の技術分野に転用したり、公知技術のある部分を他の公知技術によって置き換えたりする発明
③ 用途発明
  公知発明の新しい用途で構成される場合
④ 数値・形状等の限定発明
  公知発明における数値・形状・配列・材料などを変更しまたは限定して構成される場合。
⑤ 選択発明
 
 ある会社では「通気口用フィルター部材」に不織布を伸びるようにして、伸ばして換気扇フィルターとして使用するという特許を得たところ、特許庁により「伸縮する不織布使用」というのは容易に想到するものとして無効の審決が下された。ところが、裁判所はそのような着想に至ることは容易ではないとして無効とした審決を取り消した(知的財産高裁H24.9.27判決、判時2177号105頁)。
 
 このように、何が進歩性を持つかについては中々分からないところがある。