名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.01.05 木曜日

不良社長の特別背任罪

不良社長が公私混同をして会社の金を使い込んだような場合、会社は簡単に倒産の危機に陥る。ひどいと、月に数百万円を持ち出す例もある。

 
 日に日に悪化していく財務状態を見ると、番頭格社員としてはやむにやまれず行動に出なければならないところがある。こんな時の社員は本当につらそうだ。弁護士はこうした社員の相談などに乗りつつ、あらゆる手をうち、不良社長と対決することになる。
 
 こうした、不良社長の行動は当然、刑事事件となる。会社法はこうした公私混同を特別背任罪として罰している。
 
会社法 第九百六十条
  次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
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三  取締役、会計参与、監査役又は執行役
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 なぜ特別背任かというと、刑法の背任罪は「五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっている。それに比べると責任が格段に重くなっている。懲役も10年以下、罰金も1千万円以下、それも両方とも併科されてしまう可能性がある。
 
 私の経験では300万円程度の背任でも実刑の可能性がある。会社が破産した時、その原因に社長の公私混同が原因となっていることがあるが、破産管財人は社長に返還を請求してくる。場合によっては刑事告訴して、事実を解明し、とられた財産を取り戻すようなこともある。
 
 私達も不良社長の責任を追及し、その上で相応のお金を払い戻させるようなことも行う。