名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.01.19 木曜日

ある会社の倒産と再生

当事務所は会社の破産や再生事件が多い。

 会社破産はもう店をたたむというものだが、中には破産を利用して再生を図るという一見矛盾した例がある。
 
 最近引き受けた事例だが、この社長は2つの会社を経営していた。A社は事業破綻し、多額の負債が残った。B社は、破綻企業に引きずられて経営は極端に悪化した。A社の行く末はもはや破産しかない。
 
 ところが、A社については全部が全部経営が悪いという訳ではなく、よく分析してみると利益をあげる部門が存在した。従業員もやる気満々だ。この事業をなんとか切り離し、生かしていこうということになった。
 
 B社については、事業としては一応利益をあげているが、経営が傾いてきていることと、関係者全体の高齢化が進んでいるため見通しはいいものではない。
 
 そこで、考えたのが、A社の利益部門の事業をB社に譲渡し、あわせて、B社の株式をA社の従業員にLBOによって売却するというスキームで処理することにした。今後、A社の従業員が、B社の社長となりB社の経営を継続することになる。
 
 A社は経営破綻しているので、事業譲渡と言ってもたいしたことはない。せいぜい施設を安く売るぐらいで済むだろう。A社については破産によって処理することになる。
 
 社長には連帯保証が残るが、まず、個人の資産を残らず売却する。この売却の過程で問うよ見込額より多額の価格で売却することができた。この売却益と、LBOで得られる株式の譲渡価格によって、社長の債務はほぼ完済できる。従って、破産は回避できる。
 
 加えて、社長は新たに承継した会社の顧問に就任し、事業上の指導を行っていく。そこで、毎月決められた収入をB社から得ることになる。
 
 ちょっとややこしいが、A社は破産するが、A社の益部門は生き残る。社長は破産を免れた上、毎月決められた収入を確保できるということになる。従業員としてもなりたかった社長になれ、思う存分仕事ができる。