名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.01.24 火曜日

リソース・ベースト・ビュー

   「世界の経営学者は今何を考えていくのか」(入山章栄:英治出版)を毎晩少しずつ呼んでいる。題名が長いので、最初はなんだかうさんくさいかと思っていたがずいぶんおもしろい本だ。
 
 それはリソース・ベースト・ビュー(資源ベースアプローチ)と言われる林論だ。これはとても有名な理論なのだそうで、米国で経営戦略論を勉強している人の中では知らない人はないと言って良いほど有名な考え方なのだそうだ。
 
 これは企業の持っている資源(リソース)の側から経営戦略を分析しようという考え方だ。筆者によるとこの資源ベースアプローチはマイケルポーターの持続的アプローチ、つまり「持続的な競争優位」の戦略と表裏の関係に立つということらしい。
 
 ポーターは企業の資源に対応したポジショニングをとっていくことで、持続的な競争優位を作ろうという考え方だ。その場合、どのような資源を持っているかによって、獲得するべきニッチが決まる。
 
 つまり、すぐれた技術、人材、ブランドといった経営資源はどういう場合にすぐれたと評価できるかを考えることになる。もちろん、すぐれたと言えるかどうかは「持続的競争優位に貢献したか」という基準で計られることになるだろう。
 
 このような資源ベース理論に対して、多くの議論が起こったらしい。その中で、一つの理論が科学的であるということはどういうことであるかについて筆者の考えが披露されている。それは立証可能かどうかと言うことが基準だという。
 
 リソース・ベースト・アプローチではこんな結論を出している。
 
① ある企業の経営資源(リソース)に価値があり(valuable)、それが希少なとき(rare)、その企業は競争優位を獲得する。
② そのリソースが、他社には模倣不可能で(inimitable)、またそれを代替するようなものがないとき(not-substitutable)、その企業は持続的な競争優位を獲得する。
 
 もちろんこれだけじゃ、まだ分からない。例えば、映画会社で大物俳優と長期の出演契約を獲得するというのはリソースとして有益で、競争優位に立つためにはそうしたリソースを獲得する必要がある。そうしたリソースを獲得し企業が競争優位に立つと説明すると具体的になる。
 
 もっとも、インターネットが発達した現在では、もっと別のリソースが必要かも知れない。例えば、ネットワーク社会の中での芸術家たちをいかに早く見つけることができるかということ、さらにそのためのノウハウが有益なリソース、他にまねできない希少なリソースということになるかもしれない。