名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.01.30 月曜日

依頼者との打ち合わせと弁護士の役割

企業関連の訴訟ではある種の専門性があるため当事者を交えた弁護団会議というのは避けられない。

 
 弁護団会議での弁護士の役割はいかに問題をいかに単純化させるかということになる。
 
 例えば、提供した商品、仕事に欠陥があるとしてトラブルになる場合、次の様な思考順序をたどる。
 ① 契約の内容は何か。
 ② 本件で履行された実際の内容は何か。
 ③ 契約内容と、実際の履行内容との相違は何か。
 ④ 相違があることに理由はあるか。
 
 こうした思考方法は法律専門家である弁護士が主導的に問題提起を行う。我々はこれを「論点は何か?」、「問題点は何か?」というのを法律的な思考体系に沿って提起する。
 
 クライアントはシロウトだが、企業関係者の場合、職業的プロフェッショナルとして鍛えられているため、きちんと法律上の世界のことであってもきちんと説明すれば普通に理解できる。
 
 クライアント理解できなければ弁護士の提起の仕方が誤っているということになる。この問題提起は法律の条文、条解釈、判例、学説、実務的な慣行などいろいろ駆使することになり、弁護士の専門性が発揮される分野だ。
 
 こうした思考の枠組が整理されると、今度はクライアント側から、現場での事実が伝えられる。
 
 例えば、実務の現場では契約が常に明快とは限らない。追加の注文や修正が加えられ得たりする。時にはリース契約も加わったりする。許認可が条件になったりすることもある。事前の打ち合わせから契約内容が変化することもある。
 
 この時に、弁護士から事実の整理に関する問題提起がされる。
 多くは「代金」が最も重要なポイントになる。「代金」は比較的事実として単純で、「金額はいくらであるか?」、「金額はいつ支払われるか?」というのを考える。
 
 その上で、当事者はその代金は何の対価であったか、商品の対価であるか、取り付けの対価であるか、アフタケアーの対価であるか、こうした分析を行う。つまり、契約と言っても、複数の要素が加わることがあり、この要素を分析することは意外に難しい。
 
 このように法律家は法的な思考方法や事実群を分析して、いかに単純化して問題提起するかを仕事としている。クライアントとの弁護団会議でもこうした単純化された課題設定をもとに、相手や裁判官との攻防を行うことになる。