名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.02.02 木曜日

会社分割のステークホルダー(銀行)

事業展開する上で会社分割を利用することがある。

 
 例えば、不採算部門があって場合によってこの部門を切り離さなければならない時がある。この部門が会社にとって大きな不安定材料となっている場合には会社として独立することも考えられる。うまくいけばより、失敗すれば会社を切り捨てることになる。
 
 確かに、会社分割によって会社が分離し、分離してできた会社を借金0円にすることもできる。しかし、この劇薬は信用失墜という強烈な副作用もあるので取り扱いに注意を要する。
 
 ところで、会社分割場合、①債権者、とりわけ銀行をどうするか、②主な顧客の引き継ぎができるか、③税務対策、の3点が大きな問題となる。これらの処理がどこまでできるかがこうした会社分割の主要な関心事だ。
 
 中でも一番処理がやっかいなのが①の銀行だ。
 
 根雪のように貯まった債務を一気に消し去りたいという強行突破系の場合、会社は一か八かのようなところがあって銀行債務を切り捨てていく。この場合は銀行との信頼関係は当然諦めていくことになる。この場合、新会社の資金手当は考える必要がある。
 
 銀行との信頼関係も維持したいという場合は難しい。
 この場合、銀行との関係ではきちんとした情報開示が必要なる。ただ、なんでもかんでも一気に開示するわけではない。比較的時間をかけた準備が必要だ。
 
 というのは新会社(新設会社など)を設立して、そこの実績を徐々に集積して、その過程で銀行との信頼関係を作りあげていくことが求められる。
 まず、大口取引先と新会社との取引関係をうまく引き継がせる。その上で新会社の収益が旧会社(分割会社)の債務の返済に当てられていく。
 
 こうして時間をかけて分離していく一方で、次のことを考えることになる。
① 新会社の資金源として新しい銀行との取引を入れるかどうか。旧銀行の債務の負債を債務引き受けしていくか。
② 旧会社の経営の見通しはどうなのか。そのまま倒産の可能性を持つのか。それとも一定の利益を確保していくのか。
 
 つまり、一定時間をかけて新会社の信用を確保しつつ、会社を分離していくという非常に難しい作業を行う。