名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.02.22 水曜日

従業員に事業承継させるには?

従業員に事業承継させる際には、連帯保証がよく問題になる。会社のオーナーでもないのに個人責任を負担させるというのは本来は間違っている。金融機関はそういう考えを改めるべきだと思う。

 
 それは、ともかく、従業員に事業承継させるケースにはどのようなケースがあるだろうか。これらは弁護士、税理士など十分打ち合わせて緻密に計画を立てる必要がある。
 
【社長に相続人がいるがまだ若い場合】
 社長が引退するものの、まだ子供が若く、社長は無理という場合がある。従業員はいわば中継社長ということになる。中継ぎの身分で借金を背負わされるのはいやだと思うだろう。ここでは「中継ぎ社長の待遇」が問題となる。主な対策はこんな所ではないだろうか。
 
  ① 銀行と交渉して連帯保証をさせない。
  ② 社長としての待遇をよくする。
  ③ 一定の株式を与える。
  ④ 退職金を保証する。
 
 このうち、株式を与えるというのと退職金を保証するのとはよく似ている。株式を与えておいて、社長退任時に会社が買い取るというような仕組みを作ると実質的には買取価格が退職金となる。会社が伸びれば退職金は増えるし、会社が小さくなれば退職金は小さくなる。これは持株会の制度と同じだ。
 
【社長に相続人がいない場合】
 従業員に完全に会社を渡す場合。会社に借金がある場合、それを持ってってくれというのであるから従業員にとっては重い決断となる。
 
 ① 会社の株を従業員に譲渡する場合
   通常承継させる場合には会社に一定の価値があるため、事業承継する社員がどうやってそのお金を調達するかが問題になる。これはMBO、LBOと呼ばれる手法を持ち込むことになる。
  
   LBOやMBOは管理会社を作って、社長の株式を買い取っていくという手法だ。
   それとは別に、単純に新社長が会社を連帯保証人にして借入などをして株式を買い取るという方法もある。その上で、返済金相当額の役員報酬の上乗せを行うという方法もある。何がいいのかは税制との調整となる。
 
 ② 長期的に譲渡する場合
   ①の場合は株式を一時期に譲渡するような場合だが、徐々に譲渡する場合もある。これは社員が途中で裏切らないという強い信頼関係が前提となる。また、その社員が途中で亡くなったりすると相続が発生してややこしい問題が起こる。
 
 
 ③ 事業譲渡を利用する場合
   その変形となるが、同名の会社を設立させた上で、顧客を移動させ、その会社の事業を移転させるという方法がある。これは事業譲渡を活用する場合だ。