名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.02.24 金曜日

絶好調なのに破産

 業績が急激に伸びている会社が経営破綻することがある。
 たとえば、設立して2年目から倍倍の状態で経営が拡大し、経営者もいまこそチャンスだ、伸ばせる時に延ばすんだという訳でいけいけどんどんという感じで経営に邁進する。
 
 銀行から借金をして従業員を雇い、支店を作る。ある程度のノウハウがあれば人が増えれば売上の増える。そして、また銀行から借金をする。
 
 例えば、銀行から借金をして人材や設備に投資して顧客をふやしていく。この時、顧客からの支払は仕事が完了しないと得られない。そこで、顧客からの入金までに発生する支払は銀行からの借金で補うことになる。いわゆる「正常なる運転資金」として扱われる融資だ。こうした範囲の融資は問題は無い。
 
 しかし、入金までの期間中の支払に、別の売上をもって当てるという状態が生じることがある。つまり、融資では支払が足りなくなったために、別の売上金をもって支払に当てられる状態だ。これは赤字を拡大する路線以外の何ものでもない。
 
 問題なのは、こうした異常事態は業績の急激な伸びに隠れてしまうことがある点だ。経営者は会計が読めないことが多い。経理は単純に入力と計算しかしないということがある。誰も経理の実態を判断していない状態が起きる。
 
 業績は伸びているのでなんだか儲かっているような気がしてしまう。実際新規契約からの入金がある。こうした事態では経営者は目先の預金額にだまされてしまう。或いは未回収金が売上計上されてしまうため、利益に実態が無い点を気づかない。現状の事業の利益以上の返済額となっていることに気づかない。おかしいにも関わらず、経営者は冒険が必要などと考えて放置してしまう。冒険は自己の客観的状況を理解して初めて成り立つ判断で、何も分からずただいけいけというのは経営者の判断ではない。
 
 業績はどこかで一旦は頭打ちになる。例えば、組織的に社長一人の馬力では組織が動く範囲に限界がある。また、何かの経済変動で消費が急激に落ち込むことがある。売上が伸びることで当面の運転資金を確保するタイプの企業はそうした業績の伸びが停止した時に急激に事業が崩壊していく。私は何件もそうした件を扱ってきた。
 
 業績が伸ている企業家のみなさん。とりわけ、急激に伸びている企業家のみなさん。今一度、会計の状態を振り返ってください。未回収金の管理は大丈夫ですか。短期融資はきちんと既存回収金の範囲内で返済できていますか。借金の金額が不正常に大きくありませんか。