名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.03.02 木曜日

ケーススタディ「赤いペンケース」

ビジネス法務2014年1月号には契約書解釈のトラブル事例が紹介してあった。

 その中の一つ、赤いペンケース事例がある。これは問題を紹介してその解決方向を示すという趣向で、法科大学院の試験問題のような記事だ。
 
 事例は赤いペンケースを注文した際に、①デザイン料 ②製品価格が契約書で取り決めされた。その後、再度、同型の青いペンケースを注文したところ、またデザイン料が請求されたという事例だ。この再度のデザイン料の請求をめぐって争いがあったという想定がしてある。
 
 注文者からすれば、全く同じ型で色だけ違う注文に再度デザイン料をとるのは不当だということになる。受注側からすれば、色だけと軽く言っては困る。色の選択も立派なデザインだということだ。
 
 青色の方は契約書が存在しないために、トラブルになったという設定だ。
 
 実際にこのような事例があるかはよく分からないが、普通は、デザイン料を売りにしている会社の場合は、再度デザイン料をとるだろう。同じ型であることを考慮して、値引きして紛争は終了ということになる。
 
 本来、赤色の契約と、青色の契約は別の契約だ。別の契約であるにもかかわらず、追加注文だからといって安易な対応をすることはよくある。建築事例などは典型的だ。あるいは、ソフトウェア関係などもそうだ。
 
 私が取り扱った事例でも、生産ラインの設計、製造の発注を受けたが、追加のラインの注文について発注書をきちっとしておかなかったばかりに大損をした例がある。
 
 ビジネス法務1月号の回答者は赤いペンケースの契約書があいまいだったと言う問題点を指摘した。つまり、契約書にデザイン毎に追加のデザイン料が発生するとの内容がなかったという点を指摘した。
 
 この問題について、私だったら、やはり、追加毎に文書を作る、そうでなければ基本契約書としての意味をはっきり持たせて、筆者の指摘するように文言を厳格にするということになろうか。