名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.03.09 木曜日

「企業ネットワークの管理」という課題

オープンイノベーションは組織内と組織外との連携にイノベーションの契機を見いだそうという発想だ。それは大企業同士、大企業と中小企業、中小企業同士、さらには大学と組織の質は問わない。

 
 一つのベンチャー企業が作り上げた新しいアイディアはそれだけでは利益を生み出さない。製品化し、流通を握り、販売能力を持つ大企業と連携する必要があるかもしれない。あるいは、流通、販売などバリューチェーンを分業するいくつかの企業との連携が必要となる。いずれにしろ、何かしらのネットワークと、それを管理するマネージャーが存在するのが一般だ。
 
 その管理という課題をいかに合理的に行うか、いかなるシステムが最も合理的であるかがオープンイノベーションの課題の一つとなる。一方で、連携はアイディアを抜き取られる危険を伴う。連携は自由であるため、最初にうまく連携しても、相棒はいつのまにか他のパートナーを選択するかもしれない。
 
 企業連携という「関係」に創造性を感じ、ネットワークを形成しようというのであれば、関係形成に何らかの戦略的な対応、すなわち「注意して連携」する姿勢が不可欠ということになる。これは「個々のパートナーがネットワークに残る動機を与えるために、一体的なガバナンスメカニズム」を追求するのと同様の作業かもしれない。
 
 たとえば、「業界リーダーは、技術の標準化を進める。標準化は、システムの複雑さを分解し、システムにすぐに統合できるような部品を他社でも作れるようにする。」個々の部品はそれだけでは意味がなく、システムに統合されて初めて商品となり顧客を創造するということであれば、パートナーはネットワークから逃げられない。
 
 あるいは、こうしたネットワークのガバナンスには、常に他社との双務的、相互恩恵的な関係がつきものである。ネットワークの管理者はネットワークの構成員に満足するだけの利益を与えているか洞察し、配慮する必要があるだろう。
 
 この洞察は訓練や経験によって高められるが、人間的な才能としかいいようのない部分が残る。