名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.03.10 金曜日

経営者以外の個人保証

 経営者以外の個人保証

 民法改正を目前に控え,会社債務の個人保証に関する議論が盛んだ。
 会社の業績によっては社長個人の連帯保証も抜くことが可能な場合がある。中小企業社長としては是非銀行と交渉してみてはどうだろうか。

 連帯保証というのは会社と保証人が同等の債務を負担する意味がある。会社が倒産しても個人責任が追及される。会社倒産によって個人の再起も難しくなる。社長個人なら,まだある意味自己責任のようなところがある。

 しかし,金融機関によっては後継者と目される子供,経理担当の妻まで連帯法承認にとることがある。同じ専務でも子供でなければ連帯保証をとるようなまねをしないだろう。経理担当でも妻で無ければ連帯保証をとることはないだろう。

 こうした場合,会社倒産によって子供の将来の芽までも摘んでしまうと言う悲惨な結果となる。

 平成25年,金融庁・中小企業庁が主導して「経営者保証に関するガイドライン」を設けた。

Q&Aでは個人保証について次のようになっている。

① 経営者以外の第三者について
  金融機関においては、経営者以外の第三者保証を求めないことを原則とする融資慣行の確立が求められており、やむを得ず事業承継予定者に保証の提供を求める場合も、現経営者の健康上の理由という特別の事情を要件としています。

② 経営者保証を求めない場合の対応も定めている。
  法人の事業用資産の経営者個人所有の解消や法人から経営者への貸付等による資金の
流出の防止等、法人の資産・経理と経営者の資産・家計を適切に分離することが求めら
れます。

 近時の傾向は第三保証は原則求めない,社長の個人保証についても場合によっては徴求しない傾向になっている。中小企業は銀行に対して絶対服従みたいなところがあって,中々交渉しない。しかし,銀行取引でも普通の取引と同じだ。よく勉強して強い意識をもって交渉に臨めばけっこういける。

 なお,銀行取引の基準になる金融検査マニュアルでも同様の傾向になっている。

 ちなみに,民法改正要綱でもこれを意識した内容になっている 
【民法改正要綱】
   ① 個人保証の制限
     事業のための借入保証については「一ヶ月以内に作成された公正証書」が必要
   ② 個人保証制限の例外
    (主債務者が法人である場合)
     ・借主の理事,取締役,執行役又はこれらに準じる者
     ・借主の総株主の議決権の過半数を有する者
    (主債務者が個人である場合)
     ・借主と共同して事業を行う場合
     ・借主の事業に現に従事している配偶者