2017.03.28 火曜日

豊橋発:中国進出に先だって何を注意するべきか

中国進出に先だって何を注意するべきか

 ある企業が中国進出を企画している。何を注意すれば良いのだろうか。
 
 中小企業の場合,大企業のように多くの経営資源がある訳ではない。中国市場に進出するにしても自社の強みを理解してその上でそれを生かす戦略が立てられるべきだ。
 
 日本市場で自社はどのような顧客セグメントを持ち,顧客はどのようにしてやってくるのか,顧客は何を魅力としているのか,酷客層の売上や利益の比率は何かこういった基本的事項が整理されるべきだ。特に重要だと思われるのは自社が日本市場でどのようにして発展してきたか,その歴史を整理する必要があると思う。
 
 その上で中国市場の分析が必要だ。
 日本の業界と中国の業界とは違う。中国国内でどこの業界に自分はこれから参入しようとしているのかを知るべきだ。同じ類型の商品,サービスでも中国と日本とは違う。中国の業界の分析と日本との違いは必要不可欠だ。
 
 この場合,中国における顧客をどのように設定するかも重要なポイントとなる。同じ製品でもブランディングの作りによって全く違う層の顧客層を獲得するであろうし,同じような顧客層だと思っても中国と日本とは違う。その違いと,中国の顧客層が訴求する内容を見分けることが必要となる。
 
  中国における業界や顧客層の分析ができたら,自社の持つ経営資源を中国にあてた場合に競争上の優位を確保できるかを検討することになる。この場合,いくつかの注意点がある。
 ① 中国は遅れた市場とみないことだ。現代中国市場にはEU,米国などあらゆる国が参入している。日本市場のライバル達も参入している。既に水準の高いものは存在している。中国人消費者の洗眼力が仮に劣っているとしても,提供する側は一流の業者だ。
 
 日本より30年遅れているから,その先を見越せば良いなどと言う安易な発想は捨てることだ。むしろ,日本で成功した部分が,中国においてはある種の「穴」のように空いている部分となっているかどうかという視点が大事だと思う。つまり,自社がやろうとしているエリアにはライバルはまだいない,あるいはライバル達は入れないというような領域を探していくことこそが重要だ。
 
 ② 長期的な投資を覚悟することも必要だ。
 自社発展の歴史を見た場合,中国進出ができるようになるまでにかなりの年月を要したはずだ。自社が大きくなったのは多くの試行錯誤が重ねられ,国内でニッチを獲得してきたはずだ。ブランディングにも時間や費用がかかったことだろう。
 
 こうした自社の歴史を振り返り,ある種の辛抱強さと段階的な計画性が求められる。中小企業の場合,冒険的な行動は慎まなければならず,常に撤退を念頭に入れつつ,市場の反応を読みつつ慎重な行動が求められる。ブランド化にはどこかで大胆な打ち出しが必要だが,それは勝算を確信した上で実施するべき事だ。