2017.05.01 月曜日

豊橋発:欠陥,数量不足は即,通知すべし!

欠陥,数量不足は即,通知すべし!

 商品の欠陥や数量不足がある場合,すぐに売主に通知しておかないと賠償請求できなくなることがあるから要注意だ。
 
 紹介の事件は韓国製の輸入肥料に過塩素酸カリウムが混入していた結果,作物の生育障害を招いた事件である。原告は肥料に不適合物があることから5億5000万円の賠償を請求した。しかし,この肥料の欠陥をすぐに売主に通知しなかったばかりに大部分の請求が認められず,結局認容額は5200万円程度にとどまった(東京地裁H26.7.15,判時2238号,58頁)。
 
 商品に欠陥や数量不足が発見された場合,商法526条は速やかに売主に通知すべしとしている。そして,発見えない時でも半年以内にクレームを述べなければ免責されてしまう。本件は買主がクレームを告げたのは取引後6ヶ月以上経ているとして,請求のかなりの部分を退けた。
 
 肥料の場合,施肥してから作物が生育してから障害が発見される。その分,商品の欠陥が明らかになる時期が遅れてしまう。この点,買主に酷では無いかとも思うが,判決は発見しがたい欠陥が予想される場合には,この6ヶ月でクレームを受け付けないという法律の条文を契約で変更しておけというのである。つまり契約によって,除斥期間を延長しておくか何か対応すれば良かったのだと述べている。
 
 いささか専門的になるが本判決の構造は次のようになっている。
① 肥料は種類物売買である。
② 商品の欠陥は債務の本旨に従った履行では無い。売主が仕入れたものをそのまま売却しただけと言っても,売主には欠陥のない肥料を売る義務がある。
③ 欠陥商品を売却する際に欠陥を避けることができない不可抗力があったことは立証されていない。従って,本来売主に賠償責任がある。
④ しかし,商品を受け取って6ヶ月間,クレームがなかったのだから,買主は賠償請求できない。