2017.06.05 月曜日

豊橋発:オープン連携が商品品質,企業価値を高める

 どんなにすばらしい戦略があっても商品あっての戦略だ。ユーザーが求める高品質なくして戦略などありえない。というのが私の信念だ。

 たとえば,広告宣伝一つとってもそうだ。すぐれたアピールポイントがあって初めて宣伝が成り立つ。
 
 高品質という場合,ユーザーにとって高品質という意味であって,一般的に高技術というのがあっても意味が無い。特に中小企業の場合,ユーザーとの直接対話の中でイノベーションを実現する場合がほとんどではないだろうか。

 「グローバルニッチトップ企業論」(白桃社)では,エリオニクス(株)の事例を紹介している。この会社は半導体の加工・製造装置などを開発している。

 この会社は展示会や研究者をフォローアップすることでユーザーニーズを聞き出し,「ソリューション」を提案することで顧客を獲得するが,その度ごとに商品の品質は向上することになる。
 
 フォローアップ自体は社内で体系的に整理されていると思われるが,それ際しては「新製品の情報だけでなく相手が関心を持ちそうな情報を手土産として準備する。また,相手側研究者も訪問時にこちらの関心を持ちそうな情報をこっそろ教えてくれ,それがヒントになり共同研究に発展することもあった。」という。

 この会社はユーザー側からの相談などもあるが,サプライヤー側とも連携し,開発の相談が持ちかけられるという。重要なのはユーザーにしろ,サプライヤーにしろ顧客にニーズにいやとは言わない精神だ。

 ここではいつもの重要な教訓がある。
 大企業にとってもイノベーションは簡単なものではなく,他の中小企業との連携でイノベーションをもたらそうとしているし,実際できあがる。さらに,一人で解決できなければ,エリオニクスが持っている企業群が解決するという仕組みだ。

 現代社会は技術進歩が著しく,大企業とはいえ自社だけでは対応できない。いくつもの企業連携からイノベーションを作り上げていく仕組みが必要不可欠だ。このオープンな領域こそが現代社会の特徴だし,このコミュニティに入り込むことで商品の品質,企業価値の向上を図ることができる。