2017.10.23 月曜日

豊橋発:コストは利益?,コストは損?

 コスト削減というのは企業にとって重要な課題だ。1円を笑う者は1円に泣く。


 しかし,コストは利益も生み出す。特定の事業に集中したり,差別化をもたらすために高品質化する上ではコスト増は避けられない。コストだと思ってむやみに削ると品質が犠牲になるかもしれない。

 結局,コストを検討する場合,必要なところにはきちんとお金をつぎ込むというのは経営者なら当然持つ発想だ。コストは利益の源泉でもある。

 従って,コスト分析を行う場合,企業がどこで利益を上げているかをまず理解しておくことは必要だ。しかし,中にはこの点の理解が不十分であったために倒産の危機に陥る企業も少なくない。

 たとえば,経営規模の拡大が利益に結びついていると考え,事業を拡大していく。しかし,これは同時にコストの増大をもたらす。広告,宣伝,営業,販売,そして内部の管理などの諸活動が結びついているのだが,そのトータルなコストあり方が理解できていないと,単純に売上の増加だけを喜び,実は儲かっていないなどということがある。

 それは,一定規模以上になると営業管理が増大したり,利益を生み出さない人件費が発生したり,社員の教育費にコストが発生したり,実は規模が小さかったから儲かっていたということがあったりするからだ。

 このように,コストのあり方と利益のあり方はコインの表裏のようなところがあって,特定の範囲で利益を上げている,利益を上げようと考えた場合,一方でコストの変動要因を正確に分析する必要がある。

 ある企業は売上の拡大とパート人数の増大がある意味相関していた。この場合,パート人件費は固定費というよりは,変動する製造原価の一部に近くなる。にもかかわらず,人件費の問題と,仕入原価とを切り離してコストを考えているとどこで利益が出ているか,実は損をしているのかが分からなくなることがある。

 この問題は,特に急成長している企業,あるいは新規事業が急成長している場合に陥りやすい罠だ。