2018.04.02 月曜日

豊橋発:私的所有というタブーに挑戦する中国?

 中国が改革開放政策を進めてもう何年にもなる。WTO加入以来,中国は自由主義的な制度改革を進めている。昨今では契約法や消費者保護法,独占禁止法など基本的な経済法の整備を進めている。

 その中で,中国が中々割り切った政策を進めることができないのが「所有権」なのだろう。社会主義国という国是があるため,なかなか私的所有権の解禁というところまではいかないようだ。土地利用権などは基本的に「利用許可」によって管理している。

 しかし,欧米並みの経済発展を実現するためには欧米並みの自由な経済体制の整備が必要とも考えているようだ。国務院は2015年5月18日,経済体制改革に関する通知を発している。中国政府は私的領域の自由化をさらに緻密に推し進め,タブーだった「私的所有」の領域にも踏み込みつつあるように思う。


 たとえばこんな風に書いてある。
「支持非公有制经济健康发展,全面落实促进民营经济发展的政策措施。鼓励非公有制企业参与国有企业改制,鼓励发展非公有资本控股的混合所有制企业。」

「非公有制経済の健全な発展を支持する。民営経済の発展的政策,措置を全面的にかつ着実に促進する。非公有制企業が国有企業の改革に参与することを奨励する。非公有資本が投資する混合所有制企業の発展を奨励する。」

「非公有経済」とは何だろうか。中国は証券市場や,株式市場の整備を図っている。規制緩和を推し進め,私的企業の参入を容易にし,国有企業に民有化を推し進めようとしている。

 通知ではさらに登記制度の整備,資産保護制度の整備,資産評価の国内統一化,反独占制度の推進と,その内容は新自由主義をみるような錯覚に陥る。サッチャーさんが読んだらさぞかし喜ぶことだろう。

 この通達には国営企業の改革にも触れているが,もわざわざこんなことも書いている。
  「毫不动摇鼓励、支持、引导非公有制经济发展,激发非公有制经济活力和创造力。」

 いささかも,非公有経済の発展に対する鼓舞,支持,指導を動揺させるものでもないし,これは非公有経済の活力や創造力を活性化するものである。