2018.05.01 火曜日

豊橋発:土地賃貸借契約のABC

 貸した以上,いずれは返さなければならない。しかし,「借地借家法」という法律があって,借主の地位を強力に保護している場合がある。俗に「居住権」とか,「営業権」とか言われていて,なかなか返ってこない。

 土地賃貸借の場合,いろいろあるので工場や店舗所有目的で借りるときにはどんな契約になるかあらかじめよく理解しておく必要がある。

1. 建物所有目的であるか?
  土地賃貸借と言っても建物所有目的であるかどうかで全然違う。
  建物所有目的ではない場合,たとえば資材置き場であるとか,自動車を保管する場所であるとかいった場合には民法に従うため,返還が容易だ。契約書に賃貸借期間があれば,それに従う。期間がなければ一定の予告で返還を求めることができる。

2. 建物所有の目的である場合
  この場合は「借地借家法」という法律があって,強力に保護される。期間は最短で30年とされてしまう。法定更新というものがあって,期間が来ても簡単に返ってこない。更新されれば20年延長されるし(その次からは10年),さらに延長もされていく。返すという時に建物を買い取れという請求権が発生することもある。

3. 期間が限定されている借地権
 1) 定期借地権(借地借家法22条)
   賃貸借期間が50年以上の土地賃貸借には次の特約を入れて期間を限定できる。
   この契約は公正証書によって締結されなければならない。
    ①期間が満了したときに契約の更新がない。
    ②建物の再築による存続期間の延長がない。
    ③建物の買取請求をしない。

 2) 事業用定期借地権(借地借家法23条)
   事業用定期借地権は、コンビニやレストラン,量販店、遊技場、旅館、ホテルなどの専ら事業用の建物を所有するための借地権だ。居住用の建物には適用はない。これも公正証書によって契約が締結される必要がある。
    ①期間が満了したときに契約の更新がない。
    ②建物の再築による存続期間の延長がない。
    ③建物の買取請求権をしない。

   事業用定期借地権は次の2種類ある。
  (1)10年以上30年未満(23条2項)
     法律上、当然に①②③の排除の効力が発生するが
  (2)30年以上50年未満(23条1項)
     特約がないと①②③の排除の効力が発生しない。