2018.05.21 月曜日

豊橋発:持続可能な開発(Sustainable Development)

持続可能な開発とか,持続可能な発展という言葉を聞いたことがあるだろうか。


 持続性,サスティナビティ(sustainability)というのは環境問題にとってとても大切な言葉だ。環境は有限なものであるから私たちはその範囲で社会を作らなければならない。その許容範囲を超えた活動は地球の生態系にとっても有害であることはもちろん,その一員である人間にとっても有害だという考えだ。

 地球規模でこの考えが言い出されたのは1980年に国際自然保護連合 (IUCN)、国連環境計画 (UNEP) などが始まりで,その後、1992年の国連地球サミットで国際的なコンセンサスが得られた。日本でも環境基本法はこの考え方によってできあがっている。

 持続性という言葉はしばしば地球環境問題で登場するが,実際には個人の生活の場の中で生かされなければならない。人の生活,家族の生活,人が憩うコミュニティの生活,こうした単位で持続性は使われる。

 かつては森林は水源として重要だった。里山の中でも水源の保全という考え方から切ってはならない神様の山ができあがっていた。人が持続性を護り,留山などと呼ばれている。それは人と自然とが調和することでコミュティの持続性を維持してきたということになる。

 都市の中にも持続性は生かされる。庭には草花や木が息づき,昆虫や鳥がやってくる。意識が進めば日本の,その地域の植生を大切にすれば,その地域の自然が守られていくだろう。大きなお屋敷や公園と小さな住宅とが庭でつながれば1つの面になる。これだって持続性の1つだ。

 私たちがトトロやもののけ姫に感動するのはなぜか。ナウシカの求めている社会に共鳴するのはなぜか。きつねの幻灯会に行きたいと思うのはなぜか。それは自然と調和する社会が豊かだと感じているからだ。

 途上国では大規模に自然が破壊され,先住民のコミュニティが破壊されている。貧困から樹木を切り取り砂漠化を招いたりしている。戦争で地域社会が破壊されている。貧困や戦争からの恐怖,人権侵害といった諸問題から自由で無ければ持続社会は実現しない。環境問題はこうした国際的人権問題と共通の課題を持っている。というか,人権問題そのものと言ってもよい。

 持続社会の特徴は個人が大切にされ,コミュティや自然生態系と調和したコンパクトな社会だ。もちろん侵略戦争などはとんでもない。戦争する姿勢を示さなければ平和を守れないなどという考えは持たない。私たち環境派はだから集団的自衛権にも反対している。