2018.06.11 月曜日

豊橋発:無駄にCSRをしていませんか?

 CSR(corporate social responsibility)は企業の社会的責任と言われている。大企業では企業紹介や投資家向けのパンフレットにCSRのことが触れられていることが多い。中小企業もでもCSRを意識した企業経営をしているところは多い。


 私の感じでは、中小企業ほどCSRの形態が事業の内容に近づいている気がする。中には企業活動そのものが社会的貢献でもあるという社長もいる。企業活動そのものがCSRというのは実に意味深い言葉ではないだろうか。


 ハーバードビジネススクールでは「CSRの効率化」というものが研究されている(Harvard Business Review 8月号、ダイヤモンド社)。この論文は実に興味深く、眼から鱗がとれるようなところがあった。それは、CSRの展開が企業目的にそうものであるか、さらにはビジネスモデルそのものの転換を図るものであるかという点から論旨を展開している。

 

 一般にDSRは、CSRはCSR、事業は事業と切り離して考える傾向にある。たとえば、環境などを考えて樹木を植えるというような活動は何か事業本体そのものとは別と割り切ってしまうことが少なくない。しかし、論文ではCSRにについても企業戦略としての一貫性や、ビジネスモデルの転換として考えているところが重要だ。


 この「ビジネスモデルの転換」というのはCSRを追求することで社会的価値を生み出し出し、その結果としてビジネスモデルが生まれてくると言う点でとても意味がある。つまり、まず、社会貢献、時には純粋慈善活動的な社会貢献があって、その過程で社会の需要が堀り起こされ、結果として大きなビジネスに結びついていく点に着目している点だ。


 例えば、インドにおける「プロジェクト・シャクティ」という事業を次のように紹介している。


「同社は従来、卸売業者から小売業者へという流通モデルを使って、遠方の村々に商品を売っていた。ところが、現在は村に住む女性を雇い、彼女たちにマイクロファイナンスを提供するとともに、石鹸、洗剤などの戸別販売員として育成している。」


「今や6万5000人を超える女性起業家が参加し、家計所得は平均でほぼ倍増した。その一方で、彼女たちは公衆衛生にも貢献しており、山村部の人々も衛生用品を利用しやすくなった。」


「このような社会的メリットに加え、同社は事実上のメリットも享受している。2012年時点で、プロジェクト・シャクティは1億ドル以上の売上げを達成していたのだ。」