2018.06.18 月曜日

豊橋発:企業法務って修羅場かな?

 弁護士の業務は平時にあっては法律相談とか契約書の点検だとか、リーガルリサーチとかなんとく学者めいたところがある。裁判の場合、法廷そのものは相手方や裁判官を相手にしているので、法律上の理屈がどこまで通用するかが勝負となるので、なんとなく学者めいたところがある。


 しかし、弁護士が紛争の最前線に立った時、気持ちの上では戦闘行為のようなところがある。特に企業法務ではひとたび紛争が始まると、既成事実がものをいうシーンが少なくない。そんなときにはいかにいち早く既成事実をとってしまうかが勝負だ。一瞬の遅れが命とりになることがある。今は時間はないと思って明日に伸ばしていると、次の日には手遅れになってしまっていることがある。


 たとえば、相手の財産を抑えなければならない時にぼやぼやしているとチャンスを失う。株主の多数を獲得しなければならない時に、敵方の弾劾行為が遅れたばっかりに支持を取り損なうということもある。一瞬のすきに登記を奪われることもある。若い弁護士はなんとなく学者みたいな悠長な意識が抜けないでいるためにこうした「労力を惜しまず動き続ける」、「あらゆるエネルギーをこの瞬間につぎ込んでチャンスを逃がさない」という気風がわからない。


 こんなこともある。刑事告訴して敵方を追い詰めなければならない時に、警察に「告訴状を返します。」といわれて「はいそうですか。」とつっかえされてしまう間抜けた反応をするのはだめだ。何としても告訴状を受理させ、警察を動かさなければならない。いい子であってはだめだし、勝つためには依頼者も含めて関係者に容赦のない要求も突きつけていくという厳しさも必要だ。


 相手の動きを読み取って動きをいつも読み取ることも必要となる。考えうるすべての弱点を法律的な手段で追及して、弁護士との交渉が唯一の逃げ場だと思わせる手法も世の中には存在する。


 こうしたいいまわしは抽象的でよくわからないかもしれないが、弁護士はこういう場面では研究者的な傾向というよりは兵士という感じなる。これは本当のことです。