2018.09.05 水曜日

豊橋発:企業相互関係から生まれる魔法の正体(シナジー効果)

愛知中小企業家同友会には経営相談室というのがあって、弁護士、税理士、社労士、コンサルタントなど専門家が会員向け相談活動を行っている。専門家の立場から同友会に貢献しようというもので、中小企業憲章や労使見解と言った同友会の基本的な理念を大切にしている。


 この相談室、「経営判断に踏み込む」相談というコンセプトも持っている。このようなタイプの相談ができる専門家は必ずしも多くはない。経営相談室のメンバーは自分で言うのも何だが、かなりレベルは高い。

 私にとってもこうした専門家と連携できることにより今までなかった世界が広がっている。シナジー(synergy)効果は企業間の連携が生み出す効果の一つだが、確かにそうした効果を実感している。

 シナジー効果は通常は1+1が2にも3にもなるというような効果として説明される。魔法のような言葉で、シナジーなどと一言で片付けてしまうとなんだかいかがわしい。マイケル/ポーターによると、シナジー効果は企業相互関係から生み出される戦略上の優位ということになる。

 しかし、重要なのは相互関係ではなく、相互関係によって「競争優位」という効果を見いだそうという戦略、この水平戦略が重要だ。この「優位」の内容は分析可能であるし、根拠づけることが可能である。相互関係は有形、無形、競争上の関係などに分類し、「根拠」をつくりあげるための要素を示している。このような戦略上の狙いが合理的であることでシナジー効果が説得力を持つことになる。

 ポーターはさらにおもしろいことを言っている。
 「相互関係の達成には、戦略と組織とは切っても切れない関係にある」
 つまり、事業単位を相互関係とはある種の組織の構築という意味も持つ。独立して経営している者どうしの相互関係は難しい。当然、相互関係という組織設計の確かさも必要だ。

 さて、私の場合だが、他士業と共同することで、他士業の持つ専門知識を得ることができる。同じ「経営判断に踏み込む」と言っても、税理士、社労士と弁護士とは視点が違う。また、顧客に対するサービス、たとえば私の顧問先に対するサービスにも、こうした専門家と連携することにより、質の高いものが提供できる。普通では解決できない問題を解決できるようになる。相互の顧客にとって有益なので、お互いがお互いの顧客を紹介し合うような関係も生まれる。これはシナジー効果の始まりだ。

 私たちは今後、士業連携という「相互関係」という「組織」をどう作っていくか、今後の課題となるだろう。つまり、シナジー効果というのは、ビーカーに放り込めば自然と化学反応が起こるというような、魔法の効果ではなく、戦略をもって地道に積み上げて生まれる効果なのだ。