2018.09.18 火曜日

豊橋発:考えながら冒険する。リスク選択・回避の同居

リアル・オプション選択という言葉がある。事業計画には必ず不確実性が存在する。私たちはこれをリスクと呼んだりしているのだが、リスクの中にはチャンスがある。もちろん、損失もある。リアル・オプション選択は不確実性の中にある損失を最小限に抑えつつ利益を追求しようという考え方だ。


 株売買で、利益が出たら売り抜ける、どこかで価格を固定して利益を確実なものにしておくといった方法がよく行われる。事業計画においてもこのような思考方法を取り入れ、確実に利益を取っていく、リスクから来る損失を最小限に抑えるというのがリアル・オプションの思想だ。

 事業を実施する上でも当たり前と言えば当たり前なのだが、リアル・オプションではこうしたファイナンス分野で発達した「オプション投資の理論」を事業評価や事業計画策定に応用して行こうという点で理論的だ。

 早稲田大学の入山章栄さんの解説によると「①金融工学のオプション理論→②事業評価・計画法のリアル・オプション→③経営理論のリアルオプション」という流れで発展してきたのだそうだ。

 まず、小さな投資を行って市場の動向を見極め、徐々に事業を大きくしていく。見込みがなければ撤退し、見込みがあれば拡大する。こうした石橋をたたいて渡るようにして利益をとっていくというのが、リアル・オプションということになる。

 まだ、正確に分からないが、いくつかおもしろい考え方が紹介されている。

 リアル・オプションの事業計画・評価法では、不確実性の中に利益があると見る。そして、その「不確実性を『活かす』発想」をする。従って、リスクがあるから回避するとは見ない。リスクがあるから選択するという発想が潜んでいる。ただ、その場合、一方でリスク回避の手法が用意されることになる。

 リアル・オプション選択をしつつ事業を実施する場合、事業の実施では常に「不確実性の減少」という試みが続けられることになる。これは実におもしろい発想で、ある種の事業を乗り出す時に、常に情報を入手し、分からなかった部分を分かるように解明していく。利益が出るか分からない状況から、現場情報をくみ取り、利益をえることが分かるようになった。その分不確実性は減少する。そして、その分、事業選択は確実なものとなる。もちろん、逆もある。

 不確実性を減少させることがリアル・オプションの目的なので、ここでは「不確実性」をいかに科学的にとらえるかが命題となる。これも不確実性と言ってもいろいろ種類があるそうで、ここも興味深い。

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