2019.02.04 月曜日

豊橋発:補完品(Complementary Products)と競争優位

マイケル・ポーターの「競争優位の戦略」もやっと終盤に入ってきた。あと少しで読了だ。
 今回は補完品と競争優位の関係だ。
 complementary という言葉は「補完」と訳すけれど、英英辞典をみるとこんな風に書いてある。
 to add to something in a way that improves it or more attractive それをもっと前進させたり、魅力的にさせたりする方法で何かに付け加える。
 つまり、補完物が加わることで、主となるものがもっと魅力的に発展するようなことを言うことになる。
 確かに、コンピュータだけでなく、何かソフトウェアがいっしょについてくることで商品が魅力的になるだろう。魅力的になることで、当然競争優位が生まれる。ポーターによると補完品戦略は3つに分かれるという。その一つに、「補完品を取り込むことで商品を魅力的にする。」というのがある。
 中小企業の場合、自社に補完品を取り込んでいくというのはけっこう大変かもしれない。というのは、主製品を売るだけでも大変なのに、補完品までセット販売ということになるとさらにコストがかかってしまう。
 しかし、中には補完品で成功している例だってある気がする。たとえば、近江八幡の「たねや」はバームクーヘンで全国的に有名になっている。彦根にある「たねや」では洋菓子、和菓子の食事ができるようになっていてけっこうな賑わいだ。レストランが補完品だが、このレストランは単に食事で販売する以上の効果をあげている。上品で高級感あるお店が宣伝効果を持っているようにも思う。
 機械でも機械に加えてメンテナンスも売り出せば、メンテナンス事業は補完品だ。部品を売って、あわせて他の組み合わせ部品も作れるということであれば重宝されるだろう。
 このように補完品戦略のやり方は中小企業でもばかにならない。でも、ポーターによると、なんでも一緒にすればよいという訳ではない。戦略的に重要な補完品を見つけていく作業が大事だという。つまり、一つの商品について、サプライチェーンやバリューチェーを考えれば補完品などたくさんある。数ある補完品の中で戦略的な重要性を理解して選択していくことが重要だというのである。
 つまり、補完品をいっしょに販売することで競争上の優位を獲得できなければならない。補完品のメリットが小さくてコストがかかれば意味が無い。
 ポーターは言う「補完製品取り込み戦略が競争優位をもたらすのは、ほとんどが買い手に働く連想作用である。連想作用によって、買い手は補完製品を一体としたイメージでとらえ、個々の製品の特性ではなく、全体の総合性能で評価し、全体をまとめたコストで判断している」
 このあたりがさしあたり、補完品としての重要性を判断する基準になるかね。
※ ポターの言う補完品戦略の他の2つは次の通り
 ① 補完品をセットで一括して売ることで、余分に売るという利益をあげる。
   悪く言うと抱き合わせ販売のようなものだ。
 ② 相互支援戦略。主製品を安く売り、補完品を継続的に高値で売る。プリンターとインクのようなものかな。

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